大人も実感!勉強量よりも「スピード感」が大切な理由

勉強時間は長ければいいわけではない
大切なのは「スピード感」

「ビタミン」から「ミネラル」へ。

老若男女を問わず、すべての世代が楽しめるビタミンママの新企画「ミネラルサロン」が始まりました。今後も多彩なゲストを招いてエリアコミュニティイベントを開催していきます。

お話

▲陰山ラボ代表(教育クリエイター)
陰山英男(かげやまひでお)

岡山大学法学部を卒業後、兵庫県内の小学校で教師を務め、2003年、全国公募により広島県尾道市立土堂小学校校長に就任。その後、立命館大学教授、立命館小学校副校長、内閣官房教育再生会議委員、大阪府教育委員長などを経験。

現在は学力向上アドバイザーとして、全国で講演会を実施しているほか、武蔵小杉、京都にて陰山式スコーラを主宰、年長〜小学生の学力向上に成果をあげている

5月5日に開催した記念すべき第1回のゲストは、「百ます計算」などで知られる陰山ラボ代表の陰山英男先生。連休中にもかかわらず、大人・子ども合わせ定員を大きく上回る多くの方にお集まりいただきました。


 

▲連休中にもかかわらず、ご家族連れで会場は満席に(ビタミンママ)

イベントの冒頭、制限時間は2分間で子どもは百ます計算、大人は百割計算に挑戦。みなさん集中して鉛筆を走らせます。タイムアップを迎えると苦笑を浮かべる人や得意げな表情のお子さんなど、さまざまな様子が見られました。

会場の雰囲気が和んだところで、いよいよ陰山先生の登場です。先生はさっそくみなさんに計算プリントの出来具合について尋ねました。残念ながら、時間内にすべて解けた人はいませんでしたが、実はこの百ます計算・百割計算、計算自体は難しくないものの、制限時間内にすべて解答するのは結構たいへんなのです。

しかし陰山先生が実際に教えている小学生たちは、回を重ねるごとにスピードアップし、びっくりするほど短時間で解き切れるようになるのだそう。そのタイムを聞いて、会場からは驚きの声が上がっていました。

▲いざ!目の前にしたら大人も焦る「百ます計算」表(ビタミンママ)

陰山メソッドのキーワードは「スピード感」。

私たちは子どもの頃から、とかく勉強時間はより長いほうがいいと思い込まされていないでしょうか。しかし陰山先生は、「勉強は短しをもって尊しとなす」と明言。そしてゴールをきちんと設けて取り組むことで、集中力を付けていくことが大事だと言います。

例えば、漢字の書き取り練習ではたくさん書いて覚えるのが一般的ですが、ストップウオッチで課題を何秒で終えられるかを計測し、間違えたところだけ再度、練習するというのが陰山流。宙に指で超高速で書くという練習も効果的だと言います。

勉強はいわば、集中する練習であり、脳を上手に使うトレーニングなのだそう。たしかに誰しも、時間をかけて勉強をするほど、集中力が下がる経験をしているはずです。それは仕事でもそうかもしれません。また学力そのものも、じっくり時間をかけて伸ばすのではなく、短期間で上げなければいけないと陰山先生。「スピード感」は、勉強において肝となる言葉と言えそうです。

▲勉強はいわば、集中する練習であり、脳を上手に使うトレーニング(ビタミンママ)

また、とにかく基礎を繰り返すことが重要だとも説きます。ある中学受験生のお子さんの成績が伸び悩んだ際、難しい受験問題ではなく、あえて百ます計算を繰り返したくさん解くという勉強法に立ち返ったところ、成績が持ち直したという話があるそうです。

決して大きくなくても成功体験を積み重ねていくことが大切。そして世の中にはチャンスがあり、子ども時代に幸せを感じれば幸せになっていくものだとおっしゃる陰山先生。基礎的な「読み・書き・計算」は、単に勉強や受験にとどまらず、人生のすべての土台になっていくということが伝わってきました。

あっという間に2時間の講演が終了。陰山先生には、これまでの勉強に関する常識が実は思い込みかもしれないということを、実証データや実例に基づいていろいろとお話しいただきました。

それは子どもの学習だけでなく、大人にも言えることでもあります。例えば年齢を重ねるほど外国語の習得を諦めがちですが、陰山先生ご自身が50歳を超えてから本格的に英語学習を始められたように、大人になってもまだまだ可能性があることは、きっと多くの人に勇気を与えてくれるものでしょう。

▲たくさんのご来場ありがとうございました(ビタミンママ)

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