「うちの子、苦手なものが多くて困っちゃう」「幼稚園や小学校で給食がちゃんと食べられるか心配…」。
子どもの偏食が気になる人は多いようです。そこで、保育園や幼稚園の給食サービスも提供する、株式会社LEOC(レオック)の管理栄養士 濱口あやかさんにお話をうかがいました。

株式会社LEOC(レオック)の管理栄養士 濱口あやかさん
紹介記事とレシピは、食育と読書をテーマにしたフリーマガジン「おいしいえほん」:2025年秋の号で掲載しています。
味覚が敏感で嚙む力が弱い子どもは、
環境にも左右されやすく、好き嫌いが多いもの
大人にくらべ、子どもは味覚が敏感で、噛む力も発達していません。そのため、苦みのある野菜や、噛みきりにくい肉や根菜を苦手と感じることが多いようです。食の経験値も低いため、緑色の野菜=苦いものと思い込み、緑色の野菜はすべて食べない、ということも珍しくありません。

普段一緒に食事をとる家族や、保育園のお友だちが苦手な食べものは、つられて嫌う、なんていうことも。環境に影響されやすいのも、小さな子どもならではといえます。
多少の好き嫌いで栄養が偏る心配はナシ!
楽しい雰囲気で食卓を囲むことが大切です
親としては、好き嫌いをなくし、バランスよく何でも食べてほしいものですが、多少の好き嫌いがあっても問題はありません。たとえば、ピーマンが苦手ならパプリカやブロッコリーなど、苦手なものの栄養を補える食べものがとれれば、栄養が偏る心配はありません。栄養がとれているか心配な場合は、ヨーグルトや野菜ジュース、魚肉ソーセージなど、食事を補完するようなものを、おやつとしてとるのも一案です。

せっかく作った料理を食べてくれないのは残念ですが、強制するのは禁物。無理に食べさせられると、子どもは嫌な記憶だけが残り、食事そのものをつまらなく感じるようになることも。たとえ一口でも食べられたら「よく食べられたね」「えらい!」と、ほめる。楽しい雰囲気で食卓を囲み、子どもを認めるというのも、好き嫌いをなくしていく大切なポイントです。
調理や味つけで、食べやすくする工夫を。
料理にこっそり混ぜるのは、NG!
苦手なものを食べられるようにする具体的な方法は、まずは調理の工夫です。硬いものや噛みきりにくいものは細かく切ったり、柔らかくなるまで火を通したり。パサつきがちな肉や魚は、粉をまぶして焼くのも有効です。子どもが好きなサクッとした食感になるように、揚げてみるのもよいでしょう。チーズやバターなど、風味のよい食材と組み合わせるのもおすすめです。
気をつけたいのは、苦手な食べものを細かく切ってこっそり料理に混ぜること。子どもによっては、「だまされた!」と感じることもあるため、きちんと伝えたうえで、食べさせましょう。子どもが挑戦して食べられたら、ほめ、親子で小さな達成感を味わってください。
最後に、野菜を使った軽食やおやつにぴったりなメニューを紹介します。手軽に作れ、パクッと食べやすいのでぜひ作ってみてくださいね!
軽食にもおすすめ!小松菜のケークサレ

【材料(18×8×高さ6㎝のパウンドケーキ型1台分)】
小松菜:1/2わ(約100g)
小麦粉:180g
砂糖:25g
ベーキングパウダー:小さじ2
バター:80g
牛乳:40mℓ
粉チーズ:大さじ1と1/3
【作り方】
①小松菜は粗いみじん切りにする。小麦粉、砂糖、ベーキングパウダーは合わせてふるう。バターは溶かしておく。
②ボウルに溶かしバター、牛乳を入れて混ぜ、小松菜を加えてさらに混ぜ合わせる。
③①のふるった粉類と粉チーズを加え、さっくりと混ぜ合わせる。
④型にクッキングシートを敷いて③を入れ、180℃に予熱したオーブンで約20分焼く。
竹串をさして生地がつかなければOK。中が焼けていない場合は3分ずつ追加して焼く。
⑤一人分ずつ切り分ける。
※型はパウンドケーキ型やケーキ型を使用。牛乳パックを使用してもOK
野菜プリッツ グリンピース

【材料(約30本分)】
グリーンピースの水煮(正味):50g
小麦粉:160g
バター:100g ※室温に戻す
砂糖:30g
牛乳:50ml
粉チーズ:20g
【作り方】
①グリーンピースは水けをきって刻み、小麦粉はふるう。
②ボウルにバターを入れ、白っぽくなるまで泡立て器でよく混ぜる。
③砂糖を加えてよく混ぜ、さらに牛乳を加えて混ぜ合わせる。
④ふるった小麦粉を数回に分けて入れ、さっくりと混ぜ合わせる。
⑤粉チーズ、グリーンピースを加えて混ぜ、ひとまとめにしてラップに包み、冷蔵庫で約30分冷やす。
⑥⑤を天板の形状に合わせて約5㎜の厚さに伸ばし、天板にクッキングシートを敷いてのせ、160~170℃に予熱したオーブンで約5分焼く。
⑦天板を取り出し、横に半分に切り、端から5㎜幅に切る。再び170℃に予熱したオーブンで約5分、こんがりきつね色になるまで焼く。