最新設備と専門性の高さに加え 予防の重要性を地域に発信

麻酔の安全性を重視した最新の医療機器などを完備したオペ室(あざみ野どうぶつ医療センター:青葉区美しが丘
▲麻酔の安全性を重視した最新の医療機器などを完備したオペ室(あざみ野どうぶつ医療センター:神奈川県横浜市青葉区美しが丘)

確かな技術に基づいた安心の最新医療
飼い主さんとのコミュニケーションも重視

――最先端の治療はもちろん、健康診断などの予防にも力を入れているそうですね。

地域に暮らす動物たちとその飼い主さんのホームドクターとしてベストな医療を提供したいとの思いから、最新の医療機器を備え、眼科や腫瘍科、皮膚科などのエキスパートによる診察も行っています。病気を治すよう尽力するのは当たり前で、できれば病気にならないようにしてあげたいですし、もし病気になったら何より早期発見、早期治療が大切なので、ドッグドックやキャットドックを推奨しています。ドックでは、画像診断を得意とした獣医師による超音波(エコー)、レントゲン、血液・尿検査などを行います。5~6歳(人間でいう30~40代)のワンちゃんであれば1年に1回、8歳以上や大型犬、ネコちゃんは年に2回受けてほしいと思います。定期的に血液検査をしていれば、何かあれば数値の変化でわかります。がんに関しては血液検査だけではわからないので、超音波による胸腹部各臓器ごとの検査が有効です。

眼科の寺門邦彦先生が月1回、あざみ野どうぶつ医療センターで診察しています(あざみ野どうぶつ医療センター:青葉区美しが丘)
▲眼科の寺門邦彦先生が月1回、あざみ野どうぶつ医療センターで診察しています(あざみ野どうぶつ医療センター:神奈川県横浜市青葉区美しが丘)

――診察にあたり、先生が大切にしていることを教えてください。

動物は話すことができませんから、何らかの形で全身から発信しているメッセージをキャッチできるよう心掛けています。これについては、これまでに培ってきた経験によるもの、としか言えません。さらに、その子の状態が普段とどう違うのかは飼い主さんが一番よくわかっているので、飼い主さんとのコミュニケーションも大事にしています。診察の際に、飼い主さんから情報をきちんと引き出せるかどうかによって、効率的に無駄なく診断や検査を行うことができます。また、オペや検査で必要な麻酔の使用にも細心の注意を払っています。事前に健康状態をしっかり把握して、麻酔専任の獣医師が必ず立ち合います。腹腔鏡による検査、手術も始めています。開腹手術より傷が小さくて済むため、痛みが抑えられ回復も早くなります。

どんな些細な事でも気になることは何でもご相談ください。動物とそのご家族が幸せに暮らせるために力を尽くすことが私たちの使命と考えています。

ペットホテルはワンちゃん、ネコちゃんの部屋に分かれており、ネコちゃん用ケージは左右の部屋を自由に移動できる作りに(あざみ野どうぶつ医療センター:神奈川県横浜市青葉区美しが丘)
▲ペットホテルはワンちゃん、ネコちゃんの部屋に分かれており、ネコちゃん用ケージは左右の部屋を自由に移動できる作りに(あざみ野どうぶつ医療センター:神奈川県横浜市青葉区美しが丘)

少しでも多くの動物が幸せになるために ターミナルケアとシニアケアも

――先生は動物を飼っていらっしゃいますか?

18歳のペルシャミックスの猫、レオンと一緒に暮らしています。レオンは現在腎臓病を患っていますが、治療を続けながら元気に頑張ってくれています。ロットワイラーのユリアとは13年間をともに過ごしましたが、5年前、天国に旅立っていきました。失ったときの悲しみは忘れられません。でも、3か月間の闘病生活の間、私共は最大限の愛情を注ぎ、精一杯できることはしてあげたと思っているので、今でも淋しさはありますが後悔はしていません。ユリアにもらった無償の愛情に感謝していますし、たくさんのことを教えてもらったと思います。

生き物には必ず寿命があります。最期に後悔のない良い看取りができるかどうかはとても大切です。ペットが高齢で不安に思っている方には、動物、獣医師、飼い主さんが三位一体となりきちんと現実に向き合い、対話や相談を通じてベストなターミナルケアの方針を立て、安らかな最期を見届けてあげてほしい、とお伝えしたいです。だからこそ、検査を受けることで、今現在体に何が起きているのか、余命はどのくらいかを知ることは、恐さもありますが、とても重要なことなのです。

虹の橋へ導いていくために、鍛えられた技量と情熱を持ったクルーたちと共に、動物と家族の方々を「Happy」へと舵を切り、安全な航海を共にする安心できる船のような存在でありたいと願っています。飼い主さんにとってつらすぎるお別れだと、次は飼いたくない、と思いがちです。もしくは、飼い主さんご自身がご高齢で、自分たちよりペットのほうが長く生きるだろうからもう飼えない、というケースも多々あります。

でも、それまで動物をかわいがってくれた方がもう飼わない、となるのは非常に残念です。最大限の愛情を注いだ家族の方々は次の子たちをまた幸せにしてあげられる力があります。飼い主さんに万が一のことがあれば私たちが里親を見つけるなどのフォロー体制を整えていくことも、獣医師や動物病院にとって大事な使命だと考えています。


▲トリミングルーム「Felice(フェリーチェ)」。多方向から風を送れるボックスドライヤーの部屋があり、早く優しく毛を乾かすことで、ワンちゃんのストレスを軽減できます。メディカルトリマーの資格を有するスタッフも在籍しているので、高齢犬や病気の子も安心です(あざみ野どうぶつ医療センター:神奈川県横浜市青葉区美しが丘)

 

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院長 渡辺 英一郎先生(あざみ野どうぶつ医療センター:青葉区美しが丘)
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