子どもの能力を引き出すための選択肢「私立小学校」の魅力とは？

子どもの進路の選択肢のひとつとして注目を集める私立小学校。しかし、いざ受験を考えたときに、「私立小学校ってどんなところ？」「まだ幼い子どもに受験勉強は早いのでは？」など、気になることも多いのでは？

そこで、幼児教育の専門家・青木みのりさんに私立小学校や受験についてお話を伺いました。

特色あふれる教育方針が私立小学校の大きな魅力

私立小学校は、各校さまざまな教育方針を掲げており、その方針に即した独自の教育を実践しています。海外研修を実施している学校や机上以外の体験学習に力を入れている学校などその特色は多彩で、一定のカリキュラムに則って学ぶ公立小学校との大きな違いはそういった点にあると言えます。

また、その学校を自ら選び、受験を乗り越えて入学してくる子どもたちが集まるので、クラスメイトたちとの学力や雰囲気が近く、親子ともに落ち着いた学校生活をスタートできるメリットもあります。独自の歴史を持ち、在籍する先生が変わらない環境、縦割りでの取り組みが多い授業を通して育まれる学年を超えたつながりなど、子どもたちの成長を保護者を含め学校全体で見守っているような温かさがあると私は思います。

子どもの性格や得意なこと、興味を持っていることなど、わが子の性質を生かして学ばせたいと考えたとき、選択肢のひとつとして私立小学校への進学を考えるのもいいかもしれません。

お受験対策で育まれる、子どもの「これから」に役立つ力

私立小学校の入学試験は、数の概念や空間認知能力、語彙や一般教養などの知識が必要なペーパー（筆記試験）、グループで行う行動観察、家族そろっての面接など、その内容は多岐にわたります。では、何を重視して試験を行っているのかというと、生活の中でメリハリのある行動が取れるか、先生やお友だちを尊重できるかなど、主に「行動観察」の分野です。つまり、幼稚園から学校に上がる際に必要不可欠な能力を、子どもたちの行動から見極めていると言えます。入試対策においても、ペーパーよりも行動観察に時間がかかるのですが、それだけ学校生活を円滑に送るために必要な能力を子どもが身につけるのが難しいということです。

しかし、入学前にきちんと対策していればどうでしょう。「急に」自分の席に座って授業を受けることに抵抗がなく、さらにペーパー対策によってさまざまな知識を得ていれば、学校生活のスタートに大いに役立ちます。

受験で培われる能力は、私立小学校受験に限って必要な能力ではなく、子どものその後の学校生活や勉強に向かう姿勢をフォローする取り組みでもあるのです。

受験へのチャンレジは子育てにもメリットがいっぱい

小学校受験の大きなメリットはほかにもあります。それは受験を通してご家庭内でしっかりと教育方針を話し合う機会が得られることです。夫婦で共通認識を持っていると志望校選びもスムーズになります。また、受験期だけでなく、今後続いていく子育てにおいても「お父さんとお母さんで言っていることが違う！」と子どもを混乱させることも減るでしょう。

小学校受験は、小さな子どもにとって初めての大きな壁です。素敵な成功体験を得て子どもの大きな自信につながるよう家庭でのフォローも大切です。家庭での受験対策は「楽しむ」をモットーに、四季や季節の行事を大切にするなど、日常の生活を通してたくさんのことをお子さんに教えてあげてください。

遊びの延長として取り組めるようなドリルなどを活用するのもおすすめです。親子のコミュニケーションが増え、絆をより一層深めるきっかけにもなるでしょう。

幼児教室を選ぶアドバイス

幼小受験対策は信頼できる幼児教室に通うのが合格への近道です。受験に関するノウハウや学校の特長、これまでの受験の傾向など、個人では集めきれない情報を持っていますし、子どもを客観的に観察し、専門家の目で受験校についてアドバイスをしてくれるという点でもおすすめです。子育て情報にも言えますが、近年は情報過多で小学校受験に関しても情報に振り回されてしまう保護者の方は多いと感じます。そういった意味でも、すぐに相談できて的確な情報をくれる幼児教室を選びましょう。