豊かな緑に包まれたキャンパスと、カトリックの教えが息づく「心の教育」。聖ドミニコ学園小学校は、他者を慈しむ心と、自らの使命を切り拓く強さを育む学び舎です。
伝統を大切にしながらも、「今の子どもたちに本当に必要なもの」を追求し、新たな挑戦を続ける同校。その舵取りを担う校長先生に、独自の教育カリキュラムと、未来を見据えた新たな試みについてお話をうかがいました。

聖ドミニコ学園小学校校長 山下 浩一郎先生
カトリックの教えをもとにした「心の教育」を大切に
「他者に手を差し伸べる」ための力を蓄える6年間
「自分と同じように、誰かを大切にできる人になってほしい」——。聖ドミニコ学園小学校の6年間でそのための力を蓄え、いつか誰かのために使えるように。それこそが、本校の教育目標でもある「よく生きる」の真意でもあります。
子どもたちは日々大いに学び、行事などを通して友だちと協力する経験を積んでいます。学園祭でのステージ発表、運動会の応援合戦、クリスマス会の聖劇といった一大イベントの前になると、朝や昼休み、放課後の時間を使って、仲間とともに練習を積み重ねる子どもたちの姿がいたるところで見られます。
10月に行われる「親睦の集い」は保護者主催のイベントで、子どもたちが毎年心待ちにしている行事のひとつですが、ご両親が汗をかきながら焼きそばを焼いてくれたり、トランポリンやゲームコーナーなどさまざまな工夫を凝らしたブースを設置して楽しませてくれたり…。一生懸命奉仕してくれるその姿を見て、子どもたちは自分が「愛されている存在」だと実感し、それも「心の教育」の一助となっていると感じています。
また、日ごろから縦割り活動が多く、学年の枠を超えた交流を大切にしている本校では、下級生へ自然と手を差し伸べる上級生の姿もごく当たり前の光景です。

入学すると6年生がバディとなって1年生の学園生活をお手伝い。教室から聖堂への移動も6年生がサポートします
さらに、5、6年が主体の児童会の発案により実現した「おにぎり献金」、幼稚園から中高までの保護者の方々による学園全体の草刈りなど、そうした活動を見るにつけ、本校の精神が、すべてのドミニコファミリーに受け入れられていることを実感しています。
子どもの「好き」や「得意」が見つかる学びの環境
人は神様から大切な命を与えられており、1人1人の存在そのものが必要とされています。さらに、それぞれに使命(個性)があり、それを子どもたち自身で見つけ出せるよう寄り添うのが私たち教師の役割です。
1年からさまざまな専科指導を行ったり、1〜6年が一緒に行う活動が多いのも、自分の「好き」や「得意」を見つけやすい環境を整えてあげたい、と考えているからです。
また、自らの思いを丁寧に紡いでいく「作文」、創作に取り組む「ダンス」の授業、折に触れてたくさんの歌を歌うなど、表現活動に重きを置いた教育も、内に秘められた力を発見するためのよい機会となっています。

各学年、週に1回「作文」の授業があります。毎年、年度末には、じかがき文集「ひばり」として集約。自らが書いた文字がそのまま載るため、心を込めて1文字1文字ていねいに清書します

歌やダンス、寸劇なども取り入れ、楽しく進められるフランス語の授業。フランス出身の先生と日本人の先生のチームティーチングと、日本人の先生による授業が隔週で行われます
多様化、国際化する未来に向けた新たな取り組みもすすめています。1年からのフランス語、英語など、従来より外国語教育には注力していますが、2026度より、英語の授業に「CLIL」を導入予定です。
分かりやすくいえば、算数、社会、図工といったさまざまな教科を「英語で学ぶ」授業です。中高のインターナショナルコースではすでにCLILを導入しており、その土台作りとして、小学生のうちからCLILに触れてほしい、と考えています。言語学のスペシャリストである東洋大学の先生にもご協力いただき、まずは「やさしいCLIL」という形でスタートします。
アフタースクール開始でさらなる安心を

アフタースクール専用ルームでは、宿題に取り組んだり、読書をしたり、おままごとをしたりと、思い思いに過ごす児童の姿が。対象は全学年。異年齢交流も自然と生まれます
2025年度から民間学童を運営する企業と提携し、「えすこーと聖ドミニコ学園校」として「アフタースクール」の取り組みを始めています。平日は放課後18時まで、長期休みの期間は8時~19時まで、学園内で安心して過ごすことができます。さらに、例えば、本校の入試の日や突然の学級閉鎖などで学園に入れない日でも、用賀校、三軒茶屋校といった「えすこーと」の他の校舎にて一日を過ごすことも可能です。
児童5人に対してスタッフ1名という手厚い体制で、学校の宿題や自ら持ち込んだ教材に取り組む児童への学習指導を行い、学年の枠を超えて友だちと遊ぶ時間もあります。オプションで、ピアノの個人レッスン、書道、英語、算数パズル、プログラミング、ダンスなどの特別プログラムも実施しています。下校時には、スタッフが東急バスを利用して、二子玉川駅と成城学園前駅まで引率をしています。
学園内のキッチンで作るおいしい給食、安全な登下校を支えるスクールバス、保護者の方の送迎がスムーズに行える広い駐車場、そして、そこにアフタースクールが加わったことで、これまで以上に安心して通える体制を整えました。
子どもたち1人1人が大切な存在だからこそ、私たちが持てるすべての情熱を傾け、「ここで学べてよかった」と心から思える日々となるよう大切に見守り続けていきます。

おはようございます!」とスクールバスで元気よく登校する児童たち。スクールバスは用賀駅、成城学園前駅、上野毛駅の3ルート