
町田市と横浜市と川崎市にまたがる広大な丘陵に位置する玉川学園。幼稚部から大学院までを擁するキャンパスに足を踏み入れると、豊かな自然と学びの活気が調和した、一つの緑あふれる「街」のような情景が広がっています。
学園独自のK-12一貫教育のもと、世界を見据えたリーダーを育む玉川学園小学部。専門的な研究施設や豊かな自然――。あらゆる「ホンモノ」と日常的に触れることができるこの地で、子どもたちの「やってみたい!」をとことん伸ばすその教育について、野瀬小学部長にお話をうかがいました。
「楽しい!」が学びの原動力。玉川学園独自の「労作教育」と「学びの技」
本校が創立以来大切にしている教育の柱の一つが「労作(ろうさく)教育」です。単なる作業ではなく、「創作」の「作」を意味し、自ら考え、自ら体を動かし「ホンモノ」に触れることで、子どもたちの主体性や探究心を育てる学びです。

大学農学部の田んぼでお米づくり。全身泥だらけになって土の温もりを感じる楽しい体験です(玉川学園小学部)
例えば2年生は、1年かけてお米づくりに取り組みます。5月に田んぼで泥んこになって遊ぶことから始まりますが、実は子どもたちが思いっきり遊ぶことで土がかき混ぜられ、酸素が送り込まれて、稲が元気に育つ土壌が作られるんです。自分たちが楽しむことが、命を育むことに直結している。この体験こそが労作の神髄です。
秋には大学生と一緒に収穫し、脱穀や精米を体験。さらに芸術学部の工房で自ら焼き上げた器で新米を頬張る。こうした一連のストーリーを五感で味わうことで、「学ぶって楽しい!」という感覚を育てていきます。
さらに、上級生になると、学びはよりアカデミックな探究へと発展します。4年生の「学びの技」では「統計」の視点を導入。
例えば、「マーブルチョコの色に偏りはある?」といった子どもたちとって身近な関心事を徹底的に掘り下げます。答えが一つではない問いに対し、自分なりの根拠を持って考え、学びを楽しむ姿勢を育てることを、私たちは何より大切にしています。

「学びの技」で身近な疑問をデータで紐解く、知の冒険が始まります。(玉川学園小学部)
キャンパスで世界に触れる。多様な文化が日常に溶け込むバイリンガル教育

グローバルな視野を育む英語教育。創立当初から、世界と対話する力を重視しています。(玉川学園小学部)
玉川学園は、日本でいち早く国際基準の教育を取り入れた先駆者でもあります。小学部では「JPクラス」と「EPクラス」の2つのコースを展開しています。
本校はインターナショナルスクールではなく、日本の法律に基づいた「一条校」です。日本の文化やしつけ、そして母語である国語をしっかりと土壌に据えた上で、第2外国語として、高い英語力を身につけてほしいと考えています。
EPクラスは主に英語で学び、日常的に英語に触れるクラスです。JPクラスは主に日本語で教科学習が行われますが、英語の授業は1年生から週5時間あり、自然と英語の耳が育っています。
最大の強みは、学園内に多くの外国人の先生がおり、海外からの研修生も数多く受け入れていること。特別な授業だけでなく、キャンパスを歩けば多様な言語や文化が当たり前にある。こうした環境こそが、子どもたちの国際感覚を磨いてくれるのです。
大学の研究室も学びのフィールドに。ワンキャンパスが育む未来への憧れと探究心

コンピュータ室やEnglish roomなど、最新の設備が整う特別室が子どもたちの学びを支えます。(玉川学園小学部)
玉川学園小学部の何よりの魅力は、やはり幼稚園から大学院までが同じ敷地に集う「ワンキャンパス」の環境にあることでしょう。広大なキャンパス全体が、子どもたちにとっての生きた教科書なのです。
例えば、農学部の最先端の研究施設、ドローンやロボットなどの先端技術を学ぶ工学部、芸術学部の本格的な工房・・・・・・。これらすべてが小学生にとっても学びのフィールドです。
専門的な研究に没頭する大学生や先生、そしてサンゴなどの研究に熱中する中高生の先輩たちの背中を間近に見ることができます。
自分よりもずっと先を行くお兄さん、お姉さんへの、「あんな風になりたい!」という憧れが、次の学びへの原動力になるんです。
私たちは、キャンパス中の至るところに「学びの種」をバラまいておきます。子どもたちがどこで目を輝かせ、どの種に水をやるのか。それをじっくりと見守って待つ。このスケールの大きな「学びの種まき」は、ワンキャンパスの総合学園だからこそ実現できると自負しています。