豊かな自然に恵まれたキャンパスには、今日も“森村っ子”たちの弾けるような笑顔があふれています。一人ひとりの個性に寄り添いながら、予測困難な未来をたくましく切り拓く力を育む森村学園初等部。
同校が誇る教育の3本柱「ICT(情報)教育」「ランゲージアーツ(言語技術)」「英語教育」の先進的な取り組みと、その根底にある想いについて、「毎朝、正門で子どもたちと挨拶を交わし、色々な話をする時間が何よりの楽しみです」と微笑む校長の時川郁夫先生にお話を伺いました。

森村学園初等部 校長 時川郁夫 先生
「豊かな自然体験と最先端のICT(情報)教育。この両輪が、子どもたちの主体性を育みます」
豊かな自然に囲まれたキャンパスで、
五感を刺激する「楽しい発見」を
豊かな森に囲まれた森村学園初等部には、毎日子どもたちの「楽しい発見」が満ちあふれています。登校中、足元にカタツムリやナナフシを見つけて目を輝かせる子、毎日のように夢中でダンゴムシを集める子、そして先日は立派なクワガタを発見して大喜びする姿もありました。
これほど自然と隣り合わせの環境だからこそ、教科書を見るだけでは得られない、本物の昆虫の手触りや季節の草花の息吹を肌で感じることができます。もちろん、生き物に触れたときに湧き出るのは「楽しい」というポジティブな感情だけとは限りません。ときには「気持ち悪い」「ちょっと怖い」といった戸惑いや畏怖の念を抱くこともあるでしょう。私たちは、そうした多面的な感情の芽生えや葛藤も含めて、すべてが子どもたちの心を豊かに育てる大切な学びのプロセスであると考えています。

森に隣接し、8万1587㎡もの広大な敷地を誇る森村学園。昼休みには、豊かな緑に囲まれた「3年の森」や「ミニグラウンド」で3年生が元気に遊ぶ姿も見られます。広々とした校庭や中庭、ジャンボ滑り台、アスレチックなど、子どもたちがのびのびと五感を解放できる遊び場がキャンパスの至る所に用意されています。(森村学園初等部)
日々の自然体験に加え、3年生以上を対象とした宿泊行事など、本校では自然と深く関わるカリキュラムを豊富に用意しています。なかでも5・6年生が赴くスキー学校の舞台は、山形県の蔵王です。あえて厳しい冬の山を訪れるのは、自然が作り出す壮大な「樹氷」を間近で鑑賞し、その圧倒的な美しさと自然の不思議を体感してほしいためです。
今後はさらに、日々の四季の移り変わりを細やかに切り取り、五感で味わい尽くせるような体験プログラムをいっそう充実させていきたいと考えています。
ICT(情報)・ランゲージアーツ・英語の3本柱で、
世界に羽ばたく最先端の学びを実践
私たちが目指すのは、他者を思いやる優しさを持ちながら、自らの力で人生を切り拓き、世界の力、社会の力となる人間の育成です(学園理念)。そのために学園では、「ICT(情報)教育」「ランゲージアーツ(言語技術)」「英語教育」という3つの教育の柱を掲げ、時代に先駆けた独自のカリキュラムを展開しています。
まず「ICT(情報)教育」においては、世界水準の卓越したテクノロジースキルと革新性を持つ「Apple Distinguished Educator(ADE)」の認定教員が3名在籍し、1年生から一貫した先進カリキュラムを提供しています。急速に進化する生成AIも教育現場から排除するのではなく、正しく付き合い、活用しながらも、決して生成AIに飲み込まれない「自分自身の確かな思考力」をしっかりと養う指導を行っています。

1年生のICT(情報)授業の様子。1年生の段階から段階的にステップアップし、プログラミング的思考や論理的な課題解決力を楽しく身につけていきます。(森村学園初等部)
次に、すべての学びの土台となる「ランゲージアーツ」では、世界標準の言語技術をベースに「自分の考えや主張を、主語を明確にし、客観的な根拠を伴って論理的に相手に伝える」という学びを重ねています。
ただし、最新の機器を使ったICT(情報)教育に力を入れる一方で、このランゲージ・アーツでは、1年生から一貫して「作文用紙と鉛筆」で実際に書くことにも注力しています。1年生では短い文づくりから始め、学年が上がるにつれて作文の内容をレベルアップさせます。

ランゲージアーツ(言語技術)の授業。「手元にあるハンカチの絵柄を、生成AIに正確に描かせるためにはどんな言葉で指示を出せばいいか」を考えています。自分の頭の中にあるイメージを言語化し、正しく相手に伝える論理的思考力を養う学びです。(森村学園初等部)
低学年では作文を書くための「型」を身に付け、高学年ではその型を自分なりに発展させた作文に仕上げます。授業で自分の考えを伝える時やプレゼンテーションなど、様々な場面でその成果が生きています。
そして「英語教育」では、英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルの講師2名と日本人英語専任教諭によって設定された、森村オリジナルの実践的カリキュラムを運用しています。

5年生の英語の授業。ブリティッシュ・カウンシルから派遣されたネイティブ講師と、日本人の英語教員によるティームティーチングです。児童たちは自らiPadや辞書を活用し、活発にコミュニケーションを楽しんでいます。(森村学園初等部)
単にテストの点数を上げることや英検合格をゴールとするのではなく、設定されたテーマのプレゼンテーションを目標に、自分の伝えたいことを英語にのせるということをゴールにしています。そしてそのテーマは、具体的でワクワクするものに設定しています。
その目的を達成するために必要な語彙や表現を主体的に学んでいくのです。真のコミュニケーション力を培うこの学びの延長線として、5年生以上の希望者にはオーストラリアでのホームステイ研修という、さらなる挑戦の場も用意しています。
子どもたちの「おもしろい!」を原動力に、
主体性を引き出す授業づくり
子どもたちが自ら主体的に学び出すようになるためには、日々の学校生活の中で「おもしろい!」「楽しい!」という体験をどれだけ積み重ねられるかが鍵となります。そのため、本校ではあらゆる教科の授業に知的好奇心をくすぐる仕掛けを組み込んでいます。
私自身、校長という立場ではありますが、今でも算数の授業に携わる機会があります。その際には、単に黒板の手順通りに筆算のやり方を覚えさせるような無機質な授業は行いません。
例えば「3.9×4.1の答えは、だいたい16くらいになるな」といったように、「おおよその見当をつける」ことを促します。正解を求める前に、自分の頭で考え、予想をし、確かめる楽しさを味わいます。「本当に合っているかな」と探究する中で、「数字って不思議でおもしろい!」という知的好奇心が育っていくのだと思います。ここで培われた大局的な数的センスは、将来大人になって社会に出てからも必ず役に立つ一生ものの力になると確信しています。
本校では、こうした「子どもたちの主体的な意欲をどう引き出すか」について、教員陣も絶えず研究と実践を重ねています。ときには私が授業を参観して具体的なアドバイスをすることもあれば、授業の組み立てについて教員と熱く議論することもあります。

「しっかり学び、とことん遊べ」のモットーが息づく教室。授業の中には、子どもたちの知的好奇心を刺激する楽しい仕掛けがいっぱいです。子どもたちの学ぶ意欲を最大限に引き出すため、教員陣も日々熱心に授業改善と研究を重ねています。(森村学園初等部)
こうして教員全体が切磋琢磨しながら日々の授業の質を底上げし、子どもたちの「学びたい」というエネルギーを全力で引き出しています。
これからも、一人ひとりのきらめく個性に寄り添いながら、自ら未来を切り拓いていく主体的な一歩を温かく支え続けてまいります。
