横浜・川崎エリアで「中学受験に強い」と定評のある塾の先生方に、中学受験を前に誰もが抱える疑問を、伺いました。
自分で学校を選べることと、
学習スタイルを身につけられることです。
メリットは大きく2つあります。ひとつは「自分の進む学校を選べること」です。多くの私立中学はその学校ならではの特色ある教育を展開しています。自由な校風の中でのびのびと過ごしたい、スポーツが盛んな学校へ行きたい、英語力を伸ばしたいから海外研修が豊富な学校がいいなど、子どもの性格や興味関心、各ご家庭の教育方針に合った学校選びができます。好きな学校へ入って充実した毎日を過ごせば、母校意識が芽生え、その子にとって一生の財産になるでしょう。
もうひとつは「将来に役立つ学習スタイルを身につけられること」です。スポーツでいえばゴールデンエイジにあたる10~12歳は、頭が柔らかく、思考力が育つ時期で、学んだことはスポンジのようにどんどん吸収できます。この時期に頭を鍛えることで本格的に学習する土台がしっかりと築け、子どもの将来の可能性がぐんと広がります。
努力、我慢、工夫、小さな成功と失敗
この5つを学べることがメリットです
中学受験を経験することで、目標に向かって努力する、テレビやゲームを我慢する、勉強法などをあれこれ工夫をする、その過程で、小さな成功と失敗を繰り返す、その結果として、生涯生きていくうえでも欠かせない「困難を乗り越える術」を得ることができる。これは間違いないことです。
努力、我慢、工夫、成功、失敗を小学生のうちに経験できることは何物にも代えがたい。よく「子どもに嫌いなことをやらせるのは良くない。好きなことだけを伸ばしてやるべき」なんて話を耳にすることが多いですが、それは違うと私は思います。小さい子どもに「好き嫌いなく食べなさい」って言いますよね? これには「今はちょっとおいしくないと感じるかもしれないけれど、栄養があるから食べてみよう」という理由があります。これ、勉強も同じだと思うんです。ほとんど何も極めていない頃から、物事のやる、やらないを好き嫌いの基準で決めてしまうのは、将来、自分で何かをやりたいと考えたときに、「なりたい自分の選択肢を狭めてしまう」ことにつながると思うのです。子どもだからこそ、とりあえずなんでも一生懸命やってみようよっていうのが大事なのではないでしょうか。
でもあれもこれもやりたいと思っても、そんな時間はありませんから、こっちを我慢しようとか。将来、何かを成そうとするときにこの意識が働く、働かないで大きな差が出てくると思います。そして実際に努力をしていくなかで、小さな成功と小さな失敗を繰り返す。成功は自信になりますし、失敗を経験することで強くなります。失敗は「今度こそ!」という工夫と向上心を生みます。
努力、我慢、工夫、小さな成功、小さな失敗。この5つを全部学べる、経験できるのが中学受験をすることの大きな財産だと思います。
入学後の充実した学習環境が
その後の人生の選択肢を広げます。
私立の中高一貫校での学びは6年間です。そのなかで、探究、国際理解、キャリア教育など、各学校に独自の工夫されたプログラムがあり、適切な時期に、タームに分けた取り組みがなされています。子どもたちをどのように育て、社会に送り出すか、しっかりと考えられているのがすごく大きなメリットだと思います。
3年ごとに区切られてしまうと、最終学年はどうしても受験のことで手いっぱいになってしまいますが、6年間であれば、ゆとりをもってさまざまな経験ができます。そしてその経験のなかから、自分がやりたいことや、将来なりたい仕事が見えてくるわけです。もちろん、最後まで受験勉強をやり抜いたという達成感も大切ですが、むしろ、その後の人生に対するメリットが大きいという広い視野をもって、受験に臨んでほしいと思っています。
学力だけでなく、考える力や自制心など見えない力も育ちます
中学受験の勉強は難しい上に量も多く、非常にたいへんです。しかし、成長期にこのたいへんな勉強を乗り越えることで、考える力や自制心が養われることは間違いありません。中学受験が終わった後や、大人になってからも、試験を受けることがきっとあるでしょう。そのとき、どのように勉強をすすめていけばよいかについて、中学受験で得た経験が必ず役に立つはずです。
中学受験の国語は記述問題を訓練することが少なくないため、将来文章を書く場面において、正確にわかりやすく伝えたい内容を相手に伝えることに役立つと思います。このように、中学受験の勉強で培われたことが、その後の勉強や受験、さらには社会人となって担う仕事など、さまざまな場面でその力を発揮してくれると思います。