【2026校長インタビュー】自分らしく未来を拓く!神奈川学園が仕掛ける新しい学びのスタイル

神奈川学園中学校

2026年度からスタートしたSDL(Self-Driven Learning)プログラム。「Self-Driven」とは、自ら目標を設定し、行動を通して学びを拓くこと。「KG OPEN HUB」や部活動、週末自習室の活用など、土曜日は生徒たちが主体的に学べるチャンスを豊富に用意しています。(神奈川学園中学校)

横浜駅から徒歩圏内という恵まれた環境にあり、110年以上の歴史の中で多くの自立した女性を送り出してきた神奈川学園中学校。
同校が育む、自分らしく生きるための3つの力「自立」「リサーチ・リテラシー」「グローバル・シチズンシップ」をさらに進化させ、2026年4月、未来を切り拓く力を育てる「SDL(Self-Driven Learning)プログラム」が始動しました。
週5日制授業と、自ら学びをデザインする新しい土曜日の導入に込められた想いとは。校長の及川正俊先生に、学園が目指すこれからの教育について伺いました。

神奈川学園中学校

神奈川学園中学校 校長 及川 正俊 先生

あらゆる経験を通じて、できるだけ多くのチャンスの種を蒔きたい

激動の時代を生き抜くために。
3つの力を柱とした独自の教育方針

神奈川学園では、現代を生きる女性に求められる資質として、「リサーチ・リテラシー」「グローバル・シチズンシップ」、そして全ての基盤となる「自立」の3つの力を育むことを掲げています。

この方針のもと、2026年度から「自立」の力をさらに強固にするために導入したのが、毎週土曜日を生徒自身がプロデュースする「デザインできる土曜日(SDLプログラム)」です。

これまでは土曜日も通常の授業を行っていましたが、生徒から届いた「もう少し週末にゆとりがあれば…」「その週に学んだことの復習をする時間が欲しい」という声をきっかけに、生徒一人ひとりが自身の「好き」や「興味」を能動的に追求し、将来のキャリアや生き方を探究できる特別な日に変更しました。

神奈川学園中学校

「生徒たちが『好き』や『興味』を見つけながら、『なぜ?』を深めたり、将来のキャリアを描いたりする機会を大切にしています」と校長の及川先生。(神奈川学園中学校)

この大きな改革は、本校の創立者・佐藤善治郎先生の「女子に自ら判断する力を与ふること」「女子に生活の力量を与ふること」という建学の理念を、現代の形へと進化させたものでもあります。激動する社会の中で、自ら判断し、主体的に自らをアップデートし続ける「真の自立」の力を育むための、新たな挑戦が始まりました。

メリハリある週5日制へ移行。
Diaryを通じたきめ細かな支援も

新たな軸として打ち出したSDLプログラムですが、生徒たちからは非常にポジティブな声が多く届いており、手応えを感じています。

平日の週5日制授業と「デザインできる土曜日」が組み合わさったことで、日々の生活リズムにメリハリが生まれたようです。平日は7時間授業となりますが、1コマの時間を50分から45分へと短縮。これにより、生徒たちが高い集中力を維持したまま、授業に臨める環境を整えました。

もちろん、中学1年や中学2年では7時間授業ではない日を設けるなど、学年に応じた細やかなカリキュラム調整も行っています。

神奈川学園中学校

神奈川学園では、担任の先生との毎日の「Diary」を通して、学習計画や日々の生活を記録します。
(神奈川学園中学校)

とはいえ、特に低学年のうちは「土曜日をどう過ごせばいいのだろう」と迷うこともあるはずです。そこで、「Diary(生活記録ノート)」の活用を考えています。担任の先生との日々の温かいやり取りの中で、土曜日の有意義な過ごし方についても、一人ひとりに寄り添った的確なアドバイスを交え、伴走していきたいと思っています。

豊かな講座や自習室が充実。
自分らしい土曜日を応援

SDLプログラムのスタートに伴い、知的好奇心を刺激する特別土曜講座「KG OPEN HUB」や、集中して学べる「週末自習室」を新たに開設。また、部活動やボランティア活動への挑戦も後押ししています。

特に大好評なのが「KG OPEN HUB」です。初年度は教員がさまざまなテーマを設定し、大学教授や外部の専門家とも連携して約170もの魅講座を用意しました。
「浴衣の着付け」「東洋医学」「皇居訪問」「綿菓子で学ぶ遠心力」「鎌倉散歩」など、五感を刺激するユニークなものばかりで、定員を超える申し込みが相次いでいる盛況ぶりです。

先日、糀屋さんを招いて「味噌づくり」を体験できる講座がありました。身近な食の成り立ちに深くふれることで、これまでの「当たり前」を疑い、日常を新しい視点で見つめ直すきっかけとなるなど、生徒たちには素晴らしい変化が生まれています。

神奈川学園中学校

特別土曜講座「発酵~大豆から味噌を作ろう」の様子。糀屋さんに講師をお願いし、味噌の材料や混ぜ合わせ方、発酵などについて学びました。(神奈川学園中学校)

また、「週末に授業の復習をする時間が欲しい」という生徒たちのニーズを受けて開設した週末自習室は、土曜日の午前9時から午後6時まで開放し、現役大学生のメンターが常駐。
学習の復習や進路相談ができる安心の体制を整えています。

神奈川学園中学校

高校生は20時、中学生は19時まで利用できる「アカデミック・ハブ」には、卒業生が残していってくれたノートや、大学合格に向けてのアドバイスが記載された資料も閲覧できます。大学生のメンターへの質問や相談が可能です。(神奈川学園中学校)

実体験の積み重ねを通じて、世界を動かす女性へ

本校では生徒たちが「好き」や「興味」を見つけながら、「なぜ?」を深めたり、将来のキャリアを描いたりする機会をとても大切にしています。
従来の総合・探究カリキュラム「Kanagawaプロジェクト」も、そのひとつです。「Kanagawaプロジェクト」では、さまざまな実体験やフィールドワークなどを行い、生徒たちの問題意識を育み、主体的な活動につなげています。

過去の国内フィールドワークで水俣を訪れた際、ある生徒は医療の道を志し、別の生徒は社会を守る法の必要性を感じて法学部に進学しました。同じ場所を訪れても、生徒の受け取り方は千差万別です。

神奈川学園中学校

神奈川学園オリジナルの探究プログラム「Kanagawa Project」。海外研修(中3)や国内FW(高1)などを通して、社会課題を自分事化し、その実体験を土台に、高2ではさらに深い調査・研究へと探究をステップアップさせます。(神奈川学園中学校)

だからこそ私たちは、「デザインできる土曜日」や「Kanagawaプロジェクト」を通じて、できるだけ多くの「チャンスの種」を蒔き続けたいと考えています。どの体験が、生徒の心の琴線に触れるかは分かりません。しかし、この学校でのあらゆる経験が、彼女たちのこれからの人生を動かすようなきっかけになってくれることを願っています。

大学生のメンターが常駐する自習室をはじめ、ラーニングセンター(図書館)やカフェテリアなど、自習できる場所がたくさんあります。
(神奈川学園中学校)

お話を伺ったのは

神奈川学園中学校 校長 及川 正俊 先生