【2026校長インタビュー】成城学園中学校高等学校が大切にする、一人ひとりの個性と自治自律

成城学園中学校高等学校では、「自学自習」「自治自律」の理念のもと、一人ひとりの個性を大切に育む教育を実践しています。
教室での学びに加え、行事や自然体験、生徒主体の活動などを通して、生徒たちは仲間と協力しながら自ら考え行動する力を磨いています。
今回は、2026年4月に校長に就任した青柳圭子先生に、成城学園が大切にする教育と、これからの時代に求められる学びについて伺いました。

成城学園中学校高等学校

成城学園中学校高等学校 校長 青柳 圭子 先生

ここは小さな社会。学校を自分たちの手でつくる経験が、未来を生き抜く力に。

教育の本質は、生徒たちの可能性を引き出すこと

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多様な個性を持つ仲間と出会い、互いに刺激を受けながら成長していく成城学園中学校高等学校の生徒たち。一人ひとりの可能性を大切に育む教育が受け継がれています。(成城学園中学校高等学校)

私は、教育の本質は一人ひとりが持っている力を引き出し、伸ばしていくことだと考えています。
本校の教員は、子どもたちをよく見つめ、その成長を支えようという思いを大切にしています。
担任だけでなく、教科担当の教員や部活動の顧問など、多くの教員が学校生活の中で生徒を見守り、「こんなに頑張っていたよ」と成長を共有し合うことも、本校では自然に行われています。

個性は大人が伸ばすというよりも、生徒同士の関わりの中で自然と引き出されていくのだと感じます。学校には多様な仲間がいるからこそ、「こんなことが得意だったんだ」「こんなことに夢中になれるんだ」と、自分でも気づかなかった一面を発見できるのです。

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中1理科の実験授業。実験や考察を通して意見を交わしながら、一人では気づけない視点にも触れていきます。(成城学園中学校高等学校)

そうした個性が発揮される場は、教室だけにとどまりません。
本校には、体育祭や文化祭をはじめ、自然体験や学校説明会など、生徒が主体となって取り組む活動が数多くあります。普段は控えめな生徒がリーダーシップを発揮したり、小学生を前に生き生きと案内役を務めたりするなど、活動の場が変わることで、その子らしい魅力や新たな一面が見えてきます。私は、こうしたさまざまな経験の積み重ねが、生徒一人ひとりの可能性を広げ、自分らしい成長につながっていくと考えています。

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生徒それぞれが役割を担いながら準備や発表に取り組む文化祭。
仲間と協力して活動する中で、教室では見えなかった新たな一面が自然と表れます。(成城学園中学校高等学校)

 

学校は小さな社会。生徒一人ひとりが作り手に

私は、本校が大切にしてきた「自学自習」「自治自律」の精神は、「学校は小さな社会」という考え方につながっていると思っています。学校は生徒一人ひとりが作り手となり、仲間と協力しながら築いていくものなのです。そのため、本校では学校生活のさまざまな場面で、生徒自身が考え、行動することを大切にしています。               例えば学校説明会では、司会や照明、音響、機器操作、来場者の案内まで、生徒たちが中心となって運営しています。生徒たちは、「受験生にどうすれば学校の魅力が伝わるだろう」とアイデアを出し合い、自分たちの手で説明会をつくり上げています。部活動体験でも、小学生に寄り添いながら準備や運営を進めるなど、それぞれが自分の役割を担っています。こうした経験を通して、生徒たちは学校を支える一員としての責任や喜びを実感しています。

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学校説明会の主役は、企画・運営からプレゼンまで主導する生徒広報チーム「Nexus」。来校者に対応するリアルな交流を通して、生徒自身も成長しています。(成城学園中学校高等学校)

こうした姿勢は、自然体験の場でも育まれます。山や海では、天候が急変するなど予定どおりにいかないことが少なくありません。教員は「どうしよう」「ここでお弁当にしようか」とあれこれ考えますが、生徒たちは意外とたくましいのです。

私が引率した自然体験では、「文句を言っても雨は止まないよね」と言って、しりとりを始めたり、歌を歌ったりしながら、仲間と一緒にその時間を乗り越えていく様子が印象的でした。その姿を見ていると、困難に直面しても仲間と支え合いながら前に進む力こそ、人として生きていく上で大切なのだと実感します。

私は、「自治自律」は仲間と協力しながら学校生活をつくり上げる中で育まれていくものだと考えています。みんなで考え、支え合いながら歩んだ経験の積み重ねが、社会に出てからも生きる力につながっていくのです。

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中2で実施される「山の学校」は、仲間と協力しながら課題に向き合う学びの場。日常とは異なる環境で過ごす経験が、生徒たちを大きく成長させます。(成城学園中学校高等学校)

変化の激しい時代を生き抜く、自分を見つめ、社会とつながる学び

今年4月に校長に就任し、新たに力を入れている取り組みの一つが、中間試験後の「面談週間」です。
本校ではこれまでも学期末に教員と生徒の面談を行ってきましたが、今年度からは中間試験後にも1対1で話す機会を設け、一人ひとりが学びを振り返る時間を充実させました。

私が大切にしているのは、「何ができるようになったのか」「どんなことを頑張れたのか」を自分自身で見つめ直すことです。自分の成長を実感し、次の目標につなげる「リフレクション(振り返り)」の力は、社会に出てからも必要になると考えています。
当初は10分程度の予定でしたが、時間を忘れて話し込み、予定を過ぎてじっくりと対話が続く場面もありました。生徒たちにとって、自分のことをしっかりと語り、教員と心を通わせる大切な時間になったのだと思います。

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福島でのフィールドスタディでは、成城学園の生徒たちが持ち前のコミュニケーション力を生かし、他校の生徒と積極的に交流しています。(成城学園中学校高等学校)

また、進路やキャリアについて考える機会も充実させたいと考えています。進路には正解が一つあるわけではなく、自分が何を学び、どんな人生を歩みたいのかを考え続けることが大切です。                                                                            その一つが、「SAIL(Seijo Academic Interactive Learning)プログラム」です。大学訪問やフィールドスタディなどを通して、多様な価値観や生き方に触れ、自分自身の将来を考えるきっかけをつくっています。全学年が対象のため、異なる年代の仲間と交流しながら学べることも大きな魅力です。

私自身も、福島で実施しているフィールドスタディの引率を続けています。
このプログラムでは、筑波大学附属駒場中学校・高等学校や灘中学校・高等学校の生徒たちと合同で学び、震災の教訓を未来にどう活かすかといった正解のない問いについてディスカッションを重ねます。生徒たちは学校の垣根を感じさせることなく自然に交流し、お互いの考えに刺激を受けながら学びを深めています。

親世代の経験だけでは進路を語れない時代になりました。
だからこそ生徒たちには、さまざまな人や価値観に触れながら、「自分は何をしたいのか」「どんなふうに生きていきたいのか」を考え続けてほしいと思っています。

お話を伺ったのは

成城学園中学校高等学校 校長 青柳 圭子 先生