2012年に教育目標「自学創造」を掲げ、21世紀のグローバル社会に貢献する人材の育成に力を注いできた安田学園中学校・高等学校。
塾に頼ることなく、学校のカリキュラムとサポート体制だけで大学現役合格を目指せる「学校完結型」の教育で注目を集めている進学校です。
難関大学への合格実績を着実に伸ばし続けている同校の強みについて、校長の稲村隆雄先生にインタビュー。充実した環境づくりから、生徒の自主性を重んじる教育方針、そして「自分が熱中できるもの」に全力で挑む生徒たちへの想いを伺いました。

創立90周年を迎えた2014年に、男子校から共学校へと生まれ変わった安田学園。中学1年生が学ぶ校舎では、生徒たちが談笑する姿が印象的でした。(安田学園中学校・高等学校)

校長 稲村 隆雄 先生
共学化13年目、進化を続ける「自学創造」の教育。
実体験重視のプログラムで、生徒たちの可能性を広げたい
第一志望大学への現役合格へ――
「学校完結型」の理想的な学習環境
安田学園は、今年で共学化13年目を迎えます。これまでの教育改革が実を結び、進学実績の向上とともに、より意欲的な生徒たちが集まるようになりました。これを受け、近年はさらなる高みを目指し、探究・STEAM教育のレベルアップに取り組んでいます。
2026年度には、学内で6つ目となる理科室を新設するほか、中学段階から理科実験をはじめとする「実体験」を重視した教育プログラムを多数配置し、教育体制のさらなる充実化を進めていきたいと考えています。
その基盤となるのは、本校が誇る「学校完結型」の学習環境です。
特に英語や数学の習得には、日々の積み重ねによる基礎固めが欠かせません。そのため、チェックテストを実施し、日々の学習内容の定着度を確認するようにしています。チェックテストで理解が不十分であることがわかった場合は、放課後補習も受講可能です。
実際に、毎日のチェックテストで満点を取り続け、放課後も学校の自習室や教員によるサポートを活用して勉強に励んでいる生徒たちが、難関大学への合格を勝ち取っています。

原則、週4回、朝の15分間で、英語と数学の「チェックテスト」を実施。日々の学習内容をその都度チェックすることで、学習の取りこぼしを防ぎます。学校のカリキュラムに沿って勉強に取り組めば、基礎学力が自然と身につきます。(安田学園中学校・高等学校)
また、中高一貫校のメリットを生かした「先取り型のカリキュラム」を導入しており、中学3年の1学期までに中学課程を、高校2年までに高校課程を修了します。これにより、高校3年の1年間を、それぞれの志望大学別の受験対策に十分な時間を確保できるのが特長です。
さらに、希望者を対象とした夏期講習や放課後進学講座なども豊富に実施していますが、これらはすべて追加費用なし(無料)で受講できます。夏休みに快適な自習室に通って勉強することも、海外研修に挑戦することも、すべて生徒自身の選択に委ねています。私たちは生徒自身の意思と自主性を尊重しています。

放課後の自習室で勉強に励む生徒たち。この自習室のほか、個別ブースのある自習室や図書館など、校内には学習スペースが多数用意されています。(安田学園中学校・高等学校)
充実した英語&グローバル教育が、
将来のビジョンを描くヒントに
公立小学校で英語教育が導入されましたが、それに伴い、入学時点での生徒たちの英語の「好き嫌い」の二極化が進んでいるように感じています。だからこそ、安田学園では全員が同じスタートライン(アルファベットの基礎)から学びをスタートさせ、誰も置き去りにしない指導を徹底しています。
その上で、中学1・2年を対象としたスピーチコンテストや、中学3年から高校2年までで実施される週1回のオンライン英会話など、実践的な発信力を磨く仕組みを整えています。
なかでも生徒たちが盛り上がるのが、定期的に開催される「英単語コンテスト」です。中学生は学年ごとに、高校生は学年横断で実施されます。成績優秀生徒やクラスは全校で表彰されるため、高校1年生が「先輩たちを追い抜こう」と猛烈に努力し、先輩たちも「最上級生のプライドにかけて負けられない」と必死に応戦します。中学生向けに実施している「計算力コンテスト」も含め、こうした心地よい競争環境があるからこそ、生徒たちはゲーム感覚で楽しみながら学力を伸ばしています。
また、感性が豊かな若いうちに異文化に触れ、視野を広げることも極めて重要です。本校では、多彩な任意参加型の海外研修プログラムを用意しています。
例えば、長年続く「日韓交流行事」。夏休みには本校の生徒が韓国を訪れ、冬休みには韓国の生徒たちを日本に迎え入れて交流しています。
また、オーストラリアやニュージーランドで3カ月間、ホームステイをしながら現地の学校に通う「ターム留学」も高い人気を誇ります。

約3か月間、ニュージーランドまたはオーストラリアの現地高校で過ごすターム留学(4年生希望者)。留学生向けの英語の授業を受けると同時に、現地の授業にも参加します。(安田学園中学校・高等学校)
実は、この「3カ月」という期間設定には意図があります。帰国後の日本の学習進度とのバランスを考慮すると、3カ月という期間がベストだと判断しているためです。
留学中の学習ブランクを最小に抑えられるよう、3カ月間の各教科のシラバスや課題を提示し、現地でもそれらに取り組むことができるような体制で送り出しています。

ネイティブ教員によるオリジナル授業をはじめ、学内コンテスト、オンライン英会話、海外研修など、英語力をブラッシュアップできる機会が豊富に用意されています。さらに、希望制で中国語・韓国語・フランス語の第二外国語講座も開講しています。(安田学園中学校・高等学校)
「学業と課外活動の両立」が、
豊かな人間性を育む

本格的なロボット製作とプログラミングに取り組むエレクトロニクス技術クラブ。国内外の著名なロボットコンテストや全国大会で優秀な成績を収め、今年は北京で開催される世界大会への出場を控えています。(安田学園中学校・高等学校)
中高一貫生だけでなく、高校から入学する生徒の学力水準も年々上昇しています。今後は、国公立大学への進学を志向する生徒がさらに増えていくでしょう。理系が主力を占める学年もあれば、文系が活気を見せる学年もあり、生徒たちが目指す未来の選択肢は非常に多様化しています。
大学入試に向けては、一般選抜型入試を突破できる学力をつける指導を軸としながらも、「探究プログラム」などの成果を活用し、総合型選抜や学校推薦型選抜にも高いレベルで対応可能です。
実際に、生徒が自ら設定した課題を探究する高校の「ゼミ探究」の成果として、「高校生国際シンポジウム」で賞を獲得したり、シンガポールで開催されたアジア大会へと駒を進めたりする生徒も輩出しています。

「常緑樹の葉の老化がアレロパシー効果を誘発する」というテーマで個人探究に取り組んだ北村幸洋さん(当時、一貫部先進コース5年)は、2025年、「第10回高校生国際シンポジウム」のポスター部門で最優秀賞を受賞。同年7月に開催された世界大会「グローバルリンクシンガポール2025」での発表に臨みました。(安田学園中学校・高等学校)
また、本校はクラブ活動が極めて盛んなことでも知られています。
私が顧問を務めているバレーボールクラブは過去に全国大会での優勝経験があり、チアリーディングクラブも全国選手権大会でグランプリの栄冠に輝きました。さらに今年は、卓球クラブがインターハイへの出場を決め、エレクトロニクス技術クラブは北京での世界大会に日本代表として出場します。
安田学園には、このように高いレベルで「学業」と「探究」や「クラブ活動」を両立させ、充実した日々を送っている生徒が数多くいます。
とはいえ、彼ら全員が入学当初から明確な目標や夢を持っていたわけではありません。
これから入学してくる皆さんには、ぜひ安田学園での多彩な出会いや日々の生活のなかで、自分が熱中できるものを見つけてほしいと願っています。

今年のインターハイへの切符を手にした卓球クラブ。放課後の講堂からは、熱心に白球を追う生徒たちの掛け声が響いていました。「全国大会優勝」を目指して、高い志を持った部員が集結しています。(安田学園中学校・高等学校)