【2026特長ある学び】AIやプログラミングに取り組む。チャレンジ精神も育む、日本女子大学附属中学校・高等学校の「D情報の技術」の授業

創立者である成瀬仁蔵の言葉「自学自動」が教育の原点。9万坪もの緑豊かな敷地内で、附属校ならではののびやかな学校生活を送る生徒たち。じっくりと学問の基礎を学び、深く考え、さらに自治活動や多くの行事を通じてリーダーシップや協調性を育みます。

最新設備を備えた教室「SAKU_Lab」「LEAF_Lab」を活用して行う「情報の技術」の授業について、担当の新田愛未先生にお話を伺いました。

日本女子大学附属中学校・高等学校

家庭科教諭 新田 愛未 先生

「とりあえずやってみよう」が未来をひらく。
新技術にワクワクしながら、果敢に挑む力を育てたい。

思わず勉強したくなる、「SAKU_Lab」と「LEAF_Lab」

日本女子大学附属中学校・高等学校には、最新のICT設備を備えた、「SAKU_Lab(サクラボ)」と「LEAF_Lab(リーフラボ)」と呼ばれる教室があります。広々とした「SAKU_Lab」には5台のプロジェクターが設置され、壁全面がスクリーンになります。

隣にある「LEAF_Lab」には、3Dプリンタやレーザーカッターも完備。どちらの教室にも可動式の机と椅子が置かれ、グループワークや発表など、目的に応じて自由に配置できるようになっています。カラフルでスタイリッシュな雰囲気も、生徒たちの学習意欲を高めています。

その「SAKU_Lab」を使って行われていた、中学3年の技術・家庭科(技術分野)のカリキュラムのひとつ、「情報の技術」の分野の授業を取材しました。

日本女子大学附属中学校・高等学校

5台のプロジェクターが設置されている「SAKU_Lab」は、壁全体がスクリーンに。「情報の技術」の授業のほか、さまざまな発表、グループワークなどに活用されています。(日本女子大学附属中学校・高等学校)

画像認識AIでオリジナルのアプリを作る

この日の授業のテーマは、「画像認識AIを使ったアプリを作ろう」。3人が1グループとなり、ノートパソコンに「AkaDako」というツールとウェブカメラを接続。専用のアプリケーションを使って、生徒たちが「プロンプト」と呼ばれる指示をAIに出していきます。

前回の授業で、既に社会で画像認識AIがどのように活用されているかを、ニュースから学んだり、新聞記事から各々探し出しました。そのため今回は「自分以外の人や社会に目を向け、課題解決に繋がるアプリを考えること」に目標に授業を進めていきました。

日本女子大学附属中学校・高等学校

この日の「情報の技術」の授業のテーマ「画像認識AIを使ったアプリを作る」ため、グループごとに話し合いをスタート。3人1組という少人数制で、全員が意見を出せるように工夫されています。(日本女子大学附属中学校・高等学校)

まずは、「どんなアプリにする?」「日常生活で困っていることを挙げてみようか?」といった話し合いからスタート。「このプロンプトを入れたらどうなるかな?」「もっと細かく指示を出さないとダメみたい」と試行錯誤しながら作業を進めていき、最終的に完成したアプリをグループごとに発表します。

「選挙の投票率を上げるために音声で応援するアプリ」や「駅で白杖や車椅子を認識し、危険を察知すると駅員さんにアラートがいくアプリ」、「大人の食べ物を赤ちゃん用のメニューに変換して作り方を教えてくれるアプリ」など、社会の役に立つものという視点から考えられたアプリのほか、「骨格から判断して、似合う髪形や服装を提案してくれるアプリ」といった生活に身近な内容で、意欲的に取り組む姿も見られました。

日本女子大学附属中学校・高等学校

グループごとに、完成したアプリを発表。誰のために作ったどんなアプリなのか、どのようなプロンプトにしたのかなどを「アプリ設計書」をもとに説明します。(日本女子大学附属中学校・高等学校)

中には、「表情から感情を読み取り、落ち込んでいたらイケメンボイスで励ましてくれるアプリ」というユニークなものもあり、基本のプログラムをさらに工夫する姿や、他のグループの生徒が「私もやってみたい!」とトライする姿も見られました。5、6時間目の2コマを使った授業は、こうしてまたたく間に過ぎていきました。

日本女子大学附属中学校・高等学校

別のグループが作ったアプリに興味津々の生徒たち。「私の名前を呼ぶように変えられる?」「プロンプト変更すればできるよ」と、楽しみながら授業に取り組んでいました。(日本女子大学附属中学校・高等学校)

未来を見据えた新しい学びに果敢にチャレンジ

この授業を指導していたのは家庭科教諭の新田愛未先生です。「新しいことにチャレンジするというのは本校の特色でもありますし、今の時代、AIやプログラミングは避けて通れません。人間がどうやったらうまくAIを扱えるかという視点を大切に、私自身も生徒と一緒に学びながら授業を行っています。」

カリキュラムは、「NPO法人みんなのコード」と連携し、学年に応じた授業を展開していると言います。「AkaDako」にはさまざまな機能があり、たとえば中学1年では、「温度や湿度などのセンサーを活用して、自分の身の回りの課題を解決する」プログラミングを学習します。中学2年では通信の仕組みを考えます。そして中学3年では、複合的な要素を取り入れつつ、プロンプトで的確な指示を出し、誰かのためになるアプリを作る、というように発展していきます。

「情報分野の進化は目覚ましく、1年経つとまた新しい内容が出てきます。生徒たちには『難しいからできない』『失敗したくないからやらない』ではなく、『とりあえずやってみよう』『わからないけど挑戦しよう』というポジティブな方向に向かっていってほしいですね。その気持ちを大切に、情報の授業に限らず、すべての教科、学校生活のあらゆる面で、さまざまなことにチャレンジしてほしいと思っています」と新田先生。

単に最新技術に触れるだけでなく、生徒たちの社会貢献に対する意識や課題解決力、何事にも挑戦する意欲も育む「情報」の授業は、同校らしい「未来を見据えた学び」へとつながっています。

お話を伺ったのは

日本女子大学附属中学校・高等学校 家庭科教諭 新田 愛未 先生