創立者である成瀬仁蔵の言葉「自学自動」が教育の原点。9万坪もの緑豊かな敷地内で、附属校ならではののびやかな学校生活を送る生徒たち。じっくりと学問の基礎を学び、深く考え、さらに自治活動や多くの行事を通じてリーダーシップや協調性を育みます。
2027年度から中高一貫の連続性をさらに高めるという同校。新たな取り組みについて、広報部主任の森田真先生にお話を伺いました。

広報部主任 森田 真 先生(日本女子大学附属中学校・高等学校)
自ら考え、学び、行動する女性に。
伝統を胸に、未来へ向けた改革に挑戦します。
一貫教育の連続性を高め、深い学びを実現する新たな試み

校舎内は廊下のスペースが広くとられており、さまざまな場所にグループワークや先生との面談などができるコーナーがあります。
(日本女子大学附属中学校・高等学校)
本校の教育方針は、「自学自動」です。「自ら考え、自ら学び、自ら行動する」という意味であり、創立から125年経った現在も、教育の根幹として受け継がれている精神です。さらに、「信念徹底」「自発創生」「共同奉仕」。この3つを本校では「三綱領」と呼び、生徒たちの生きる指針となり、一生涯を支える言葉として大切にしています。本校の生徒には、この三綱領を忘れずに、自らの意志と決断力で人生を切り拓いていける女性になってほしいと願っています。
変化が激しく予測が困難な現代社会において、「生きる力」としての非認知能力がますます重要になっています。2027年度からは、その土台を6年間でしっかりと築くため、中高一貫教育の連続性をさらに高め、大学との教育連携を強化。特徴的な学びを体系化し、生徒の確かな成長を支える5つの「一貫教育プログラム」としてスタートします。

中学3年で取り組む「年間研究」のテーマに決まりはなく、各自、興味のある内容を自由に選択します。例えば、「京都のオーバーツーリズム」「建物のリノベーション」「ダンゴムシの生態」など、ジャンルは多岐にわたります。全員分の展示や代表者による発表会は、後輩のお手本になっています。(日本女子大学附属中学校・高等学校)
1つ目は、「ワンダークエスト」。自ら問いを立てて考えながら、好奇心を育てていく探究的な学びが中心になります。以前より探究活動には積極的に取り組んできましたが、これを6年間というスパンで捉え、従来から各教科の授業にある探究的要素だけでなく、教科や学年を越えて連携しながらより深い学びを目指します。
2つ目は、「グリーンキャンパス」です。キャンパスに広がる西生田の森は、これまでも生物の授業で動植物を観察したり、美術のデッサンの題材となる樹木を探したりと、さまざまな学びのフィールドとして活用してきましたが、さらに各教科や探究の授業、森の保全活動など、自然とともに学びを深めます。

「森の中の学校」とも呼ばれるほど、キャンパスは豊かな自然に囲まれた環境です(日本女子大学附属中学校・高等学校)
3つ目の「ミライデザイン」は、生徒たちの未来につながるキャリア教育です。大学との協働を強化し、大学教員による講義や探究学習のサポートを通じて思考力を養います。さらに、理工系学部をもつ総合大学の学びを体験できる環境を拡充したほか、日本女子大学の授業を受講して単位を先取り認定できる制度も整えました。様々な業種で活躍する社会人に接するキャリア教室など、そのお話はミライへの視野を広げる機会となっています。
4つ目は、国際理解により世界への扉を開く「グローバルリンク」です。英語の授業のみならず、海外研修、選択科目(第2外国語など)、特別講座、さらに大学との連携による留学生との交流や協働などを通して、世界とつながりながら学ぶ環境を中高の6年間を通して幅広く整えます。
これらにプラスして、「アート・テックフュージョン」と名付けた、科学・情報教育や芸術教育も大事にしたいと考えています。そこで、専門のNPO法人との連携により生成AIを扱う情報の授業を取り入れ、3Dプリンタやレーザーカッターを導入し、デジタル技術とアートを融合したモノ作りができる環境も整えました。今後、授業や特別講座だけでなく、クラブ活動なども含め、生徒が幅広く活用できるようにしていきたいと考えています。
週6日制への移行で、放課後もさらに充実

行事だけでなく日常にも根付く生徒全員による自治活動。キャンパスには学校をよりよくしたいという生徒たちの熱量が満ち溢れています。(日本女子大学附属中学校・高等学校)
これらのプログラムを実現させるため、2027年度からのカリキュラムは週5日制から週6日制に移行します。週3時間の増加を予定しており、この時間を探究的な学びやキャリアデザインにつながる活動に充てられればと考えています。
本校では、生徒会や委員会などの自治活動、クラブ活動に積極的に取り組む生徒が多く、そのほとんどは放課後の時間帯に行われています。週6日制にすることで、時数を増やしながら放課後の時間を残すことができます。
また、自治活動とクラブ活動は、これまでは中高別々に行っていましたが、できる範囲から順次合同での活動を増やす予定で、さらなるレベルアップを図ります。

2026年度からスタートした「放課後学習支援」。通常時でも約100人、テスト前ともなると150〜160人の生徒が習室を利用しています。(日本女子大学附属中学校・高等学校)
このゆとりある放課後を活用する取り組みとして、2026年度から先行してスタートしたのが「放課後学習支援」です。19時まで複数の教室を自習室として開放し、「メンター」と呼ばれる大学生が5名ほど常駐しています。
自習室は、1人静かに集中して勉強できる「サイレント自習室」と、友だち同士で教え合いながらの勉強や、メンターへの質問・相談が可能な「コラボ自習室」の2タイプがあり、自分に合ったスタイルを選択できます。基本的な学習習慣を自ら身につけるとともに、宿題を含め、一日の学びをその日のうちに学校で完結させることのできるシステムです。
近年、他大学への進学実績も大きく伸長しており、一般・学校推薦型・総合型選抜など、それぞれの強みを活かした合格をつかんでいます。これは、生徒たちが主体的に進路を導き出した結果にほかなりません。生徒たちが、じっくりと未来に向き合える環境を整え、一人ひとりの成長をサポートしていきたい。そのために、本校の学びはこれからも進化を続けていきます。