【2026特長ある学び】大事なのは人としての成長。自分の思いを表現するための対話型授業を展開する和光中学校の「英語Ⅱ」

自由な校風と個性を尊重する教育で広くその名を知られている和光中学。
「共に生きる」ことをモットーとする人間教育と、常に「なぜ?」と問う主体的な学び、そして「対話」を何より大切にする同校で、コミュニケーションを重視した英会話の授業を行っている英語科専任講師のジョナサン・バサロ先生にお話を伺いました。

英語の対話から生まれる自由と自主的な学びの姿勢

和光中学校・高等学校

英語科専任講師のジョナサン・バサロ先生。カリフォルニア出身で、和光中学校・高等学校に来て約20年になるそうです。生徒たちの人気者で、廊下を歩けば「ハロー!」と次々に声がかかります。

服装や髪型、髪色に規則はなく、自己表現としてのファッションを楽しむ生徒が多いことから、「自由な校風」で注目される和光中学校・高等学校。しかし、それは「無秩序」や「放任」を意味する自由ではありません。当然、集団で学校生活を送る上でのさまざまなルールが存在します。

「共に生きる教育」がモットーの和光中学校では、日頃から「対話」を重視しています。例えば、新たなルールが必要になった場合は先生方が生徒たちの意見を丁寧に聞き、逆に生徒から要望が出た場合は、生徒総会での話し合いを経て先生方に提案がなされます。同校の「自由」は、長年にわたり培ってきたこの「対話」に基づいて形作られてきたものなのです。

そして、この「対話」を大切にする精神は、学びの面でも同様です。日々の授業では、「なぜ?」「どうして?」という問いかけやグループ討論を通して、自ら考え、発信する姿勢を重視しています。今回は、そんな対話型授業の中でも、生徒たちがつい引き込まれてしまうというジョナサン・バサロ先生の英語の授業を取材しました。

コミュニケーション重視の「英語Ⅱ」

和光中学校の英語の授業は、日本人の先生による「英語Ⅰ」と、ジョナサン先生と日本人の先生のチームティーチングによる「英語Ⅱ」に分かれています。

「私の授業では、コミュニケーションとスピーキングに重きを置いています」とジョナサン先生。生徒一人ひとりが、自分のことについて話そうと努力する姿勢や、「自分の考えをみんなとシェアしたい」という気持ちを特に大切にしていると言います。

和光中学校・高等学校

担当する「英語Ⅱ」の授業では、コミュニケーションとスピーキングを重視。「生徒一人ひとりの声を大切に聞いてあげたい」と先生は言います。

この日行われた中学2年の授業は、ジョナサン先生の「How are you today?(今日はどう?)」という問いかけから始まりました。「Hungry!」「Sleepy…」と答える生徒たちに、「朝ごはんは食べた?」、「何時に寝たの?」と、先生は次々に英語で質問を投げかけ、生徒の発言を自然に引き出していきます。もし生徒が答えに行き詰まれば、日本人の先生がすかさず日本語でサポート。絶妙なチームワークのもと、授業は軽快なテンポで進んでいきます。

過去にはオールイングリッシュにこだわっていた時期もあったそうですが、レベル別のクラス編成ではないため、どうしても置いていかれてしまう生徒が出てしまうことがあり、現在は臨機応変に対応しているとのことです。

「1クラスの中にさまざまなレベルの子がいるからこそ、困っている子がいたら教えてあげたり、助け合ったりするシーンが生まれます。それこそが本当の英会話を超えたコミュニケーションなのです」。

中学2年の「英語Ⅱ」。使用する教材は、テキストとジョナサン先生が作成したオリジナルの教材(画像)です。授業はほぼ英語で進行しますが、「今、何をしているのか」がプリントを通して視覚的に分かると、生徒が安心して授業に臨めると言います。

英語を通して人としての成長を促す

ジョナサン先生は同校で英語の指導を始めてから、今年で約20年になります。「大事なのは、ヒューマン(人間)としてどう成長するかです。テストで良い点数を取ること以上に、英語でのコミュニケーションスキルを引き上げてあげたい。相手のことを理解し、自分の世界を広げていく。そういう本質的な部分こそ大切にしたいという私の考えが、この学校の哲学と合致したのだと思っています」。

中学1年から高校3年まで、全学年・全クラスを担当している先生。「遅くとも中3までには、すべての生徒の名前を覚えるようにしています。ネームカードは使いません。授業の最初に、出欠を取る際に対面で名前を呼ぶので、その積み重ねですね」と微笑みます。

和光中学校・高等学校

生徒にさまざまな質問を投げかけ、積極的な発言を促します。生徒が答えに行き詰まったときは、日本人の先生が日本語でサポートしてくれたり、周りの友だちが助けてくれたりするシーンが見られます。

「どんなことを話しても受け入れてもらえる環境、つまりコンフォートゾーン(安心できる居場所)を整えてあげるのも私の役目です。これからも、生徒一人ひとりに英語を話すチャンスを提供し続けていきたいと思っています」。

和光中学校・高等学校

「ジョナサン先生ともっとしゃべりたい!」という思いが生徒たちの英語学習のモチベーションとなり、「次の授業までにこの単語を覚えておこう」という自発的な意欲を引き出しています。

お話を伺ったのは

和光中学・高等学校 英語科専任講師:ジョナサン・バサロ 先生