A.風邪が原因の咳は2週間以上も続かない。なるべく早く呼吸器内科へ
咳が長引いても「風邪が治っていないのかな」と思いがちですが、風邪で2週間以上咳が止まらないということはまずありません。なぜなら、風邪の原因はウイルスや細菌で、これらは体内に入ると増殖しますが、2週間も生きられないからです。
長引く咳の疾患はいろいろありますが、初めに風邪をひいていたなら感染後咳嗽(かんせんごがいそう 感染症のあとに出る咳のこと)、そうでなければ、咳が主体の喘息、後鼻漏症候群、GERD(胃食道逆流症)などが考えられます。
咳は長引くと体力を消耗しますし、不眠やストレスの原因、時には肋骨骨折を起こす方もいらっしゃいます。咳が止まらない場合は、なるべく早めに呼吸器内科を受診して、適切な治療を受けましょう。
さまざまな検査で原因を特定し、確実な治療を。問診が重要な手掛かりに
咳はほこりやウイルス、細菌などの異物が体に入ってこないように働く、一種の防御反応です。また、気道に炎症が生じたり、気道にたまった痰を出したりするときも咳が出ます。
咳は持続期間が発症から3週間未満を「急性咳嗽(きゅうせいがいそう)」、3週間以上を「遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう)」、8週以上を「慢性咳嗽(まんせいがいそう)」と定義されています。風邪やインフルエンザなどの感染症が原因の咳は、長くても10日前後で症状は治まるため、「急性咳嗽」に分類されます。
長引く咳の治療には、原因を特定し、確実に治療を行うことが大切です。当院では、問診や聴診、呼気NO検査、呼吸機能検査、必要に応じて胸部レントゲン検査や採血検査などを行い、総合的に診断します。問診でお聞きすることが病気を見つける重要な手掛かりになることもあるので、①いつから ②咳が出る時間帯 (起床時、昼間、食後、寝入りなど)③咳が出るタイミング (人と喋ったとき、外から室内に入ったときなど)④その他の症状(喉の痛み、痰の有無や色、鼻づまり、息苦しさ)などをメモして受診するのも良いでしょう。
空気の乾燥は咳の大敵。室内の湿度を十分に保ち、こまめな水分補給を!
乾燥した空気は気道の粘膜を刺激するので、加湿器や濡れたタオルを部屋干しするなどして、室内の湿度を十分に保ちましょう。また喉が乾燥すると、気管支の粘膜が敏感になって咳が出やすくなるため、こまめな水分補給も大切です。
市販の風邪薬や咳止め薬を服用しても構いませんが、市販薬は一時的に症状を抑え、体の負担を軽くするものであって、治療薬ではありません。3~5日服用しても効果がないと感じたときは、医師の診断を受けることをおすすめします。
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