30代半ばで小児科医に。「働く親目線」の診察が地域医療を救う


▲待合室は明るい雰囲気(わかば子供クリニック 川崎市中原区)

――治療方針をお聞かせください

私自身、3人の子供の父親として子育てをしている経験から、小児科医の存在の大きさをよく分かっているつもりです。休日診療先を探すのに困り果てた経験から、土日の診療を行うことは、普段仕事で忙しいお父さん、お母さんには大切な事だと考えています。

そして、いかなる診察にも「親の目線」を忘れないことをモットーにしています。それは、患者さんとして当院を受診するこどもたちが「自分のこどもだったら」という視点を忘れずに診察、処方に当たること、そして普段からこどものことを見ているお父さんお母さんの言うことにしっかり耳を傾けるということです。

もし診察時に症状が見られなくても、「普段とどこかが違う」という親の勘というのは、診察の際にも参考になることがあります。なので、些細なことだからと遠慮せずに診察の際に話していただきたいと思います。

また、患部だけでなく、広い範囲を診察することも大切だと考えています。例えば「お腹が痛い」と受診された場合でも、腹部以外に痛みの原因がある場合や心疾患なども想定して治療に当たるようにしています。

▲隔離室の奥には専用の診察室が(わかば子供クリニック 川崎市中原区)

患者家族の不安を取り除くきめ細かな治療と「さらなる地域貢献への夢」

アレルギー疾患に関しては、特に食物アレルギー、ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などの症状で受診される方が多いです。

一人一人症状もそのレベルも違うので、じっくりと時間をとって相談したいというご要望にお応えして、一般診療とは別に「アレルギー外来」を設けています。特に小児の食物アレルギーの場合、離乳食との兼ね合いもあるので慎重にならざるをえません。

栄養士による乳幼児栄養相談も開催しているので、栄養バランスの悩みなども気軽に相談できる環境を整えています。

▲ベビーカーごと入ることができ、感染症の場合は、待合室に入ることなく隔離室へ(わかば子供クリニック 川崎市中原区)

――今後の展望をお聞かせください。

川崎市中原区は祖母の出身地であり、代々御先祖が住んでいた土地だったそうです。この場所で仕事をするのは御縁だと感じています。地元に密着した、いざという時に頼れる小児科医でありたいという思いとともに、地域に貢献できる取り組みの幅を広げていきたいと考えています。

土日の診療はもちろん、アレルギー外来や栄養相談などは地域医療の充実のためという思いも込めて行っています。また、妻が保育士、社会福祉士の資格を持っているので、その知識も同時に生かせる取り組みはないかと模索中です。

いずれは「私設児童館」などの運営にも携わっていきたいという夢があります。将来ある、こどもたちの健康と地域医療の発展のために尽力していけたらこんなに幸せなことはないと思っています。


「医学部学士編入の同期は、世代もバラバラ。いい大人と呼ばれる年齢になってから、同じ志を持って共に勉強に励むという経験はなかなかできないことだと思うので、貴重でした。

一回り年下の同学年の友人ができたこともありがたいことでした。」と笑顔で語る宮沢先生。治療にあたる科はそれぞれ違うそうですが、皆さん医師として第一線で活躍されているのだとか。今でも科をまたいだ知識が必要になった時にはお互いに相談し合う良き仲間なのだそうです。

プライベートでは、なるべくお子さんと過ごす時間を大切にしているという宮沢先生。お子さん達はボーイスカウト活動に参加しているので、キャンプなどに一緒に参加するのも休日の楽しみになっているそうです。

最新情報をチェックしよう!