40〜 50代のうちに一度は受けておきたい脳ドック・心臓ドック

脳と心臓の病気は、即、死に直結するものも。検査の必要性について、横浜新都市脳神経外科病院院長・脳神経外科医森本将史先生と循環器内科医早瀬太一郎先生に話を伺いました。

脳の血管の病気は
寝たきりや認知症になる可能性も

脳の血管の病気は、その瞬間から急に人生が変わってしまいます。 幸い命をとりとめても、意識障害や介護が必要になることも多く、いわゆる、寝たきりや認知症の原因疾患の第一位である点も怖い病気です。

脳ドックは40代に1回は受け、問題がなければ3年に1回。60歳を過ぎたら生活習慣見直しの指標として1年に1回受けることが理想です。

脳ドックで行うのは、主にMRIとMRAの検査です。MRI では脳腫瘍や小さな脳梗塞などが、MRAでは脳や頸部の血管の状態がわかります。例えば、クモ膜下出血は脳動脈の破裂が主な原因なので、自覚症状がなくてもMRAで一目瞭然です。

早めに自分の病気のリスクを知り
生活習慣を見直すきっかけに


心臓ドックの検査は大きく分けて、石灰化スコア、心臓のMRI・MRA、心臓のエコーの3つです。石灰化スコアは心臓をCTで撮影し、冠動脈の石灰の度合いを点数化。病気のリスクを判断します。心臓のMRIでは心筋症など筋肉自体に病気の疑いがないかを、MRAでは心臓の冠動脈に詰まりがないかを調べます。

心臓のエコーは、心臓の構造自体に異常がないか、例えば心臓弁膜症のような心臓の弁に異常があるかどうかなどがわかります。この3つの検査で心臓の状態を把握したうえで、採血や採尿、ABI(足首と上腕の血圧比)などから総合的に判断します。

最近は40代で心筋梗塞になるケースも決して珍しくないといいます。「40代の方が、80歳、90歳まで健康に過ごすためにも、現時点の自分の病気のリスクを知っておくことが大切です」と早瀬先生。

「一方、60代ぐらいになると高血圧やコレステロールの薬を飲み始めて5年、10年と経っている方も増えてきます。知らないうちに動脈硬化が進んでいる可能性があるため、心臓ドックを受けてチェックしておきましょう。

心臓の筋肉は一度機能が落ちてしまうと、元に戻すことはできません。自覚症状のないことが多いので、早めにしっかり調べておくことをおすすめします」。

脳ドックでわかること

●脳腫瘍、脳梗塞の有無
●脳卒中のリスク

心臓ドックでわかること

●狭心症のリスク
●弁膜症の可能性
●動脈硬化の程度