「自分を責める」のは厳禁 不安に飲まれず気分転換で思考を柔軟に
ライフステージに伴う 環境の変化が不安の源
更年期うつは加齢に伴って性ホルモン量が低下し、不安感を強く感じることで起こります。ホルモンバランスが急激に崩れて自律神経に不調を来たす、更年期障害と関連しますが、別のものです。
「親の面倒を見る」「子どもの受験や就職」「責任ある役職に就く」など年齢に応じた環境の変化が主な不安の原因で、女性にも男性にも起こり得ます。
男性の場合は社会的ストレスが原因であることが多いようです。女性は女性ホルモンが低下し、急激に変化する体調に振り回されて心が追いつかず、不安を感じやすくなることも原因として挙げられます。
責任感が強く真面目な人ほど危険
大切なのは「自分を責めない」ことです。女性の場合は特に、思春期や青年期の子どもとのトラブルは大きな原因のひとつです。几帳面な性格や完璧主義など、責任感が強くて真面目な方ほど陥りやすい傾向があります。
大切なのは「どうしよう」という思考回路を断ち切り、好きな趣味や仕事に没頭して気分転換することです。
また、自分の気持ちに共感してくれるお友達や家族と話すほか、メンタルクリニックなどでのカウンセリングも効果的です。
自律神経を整える薬での早期治療を
更年期のうつ病は不安感が強いのが特徴です。うつ病で亢進した交換神経が、不安感のためにますます亢進するという悪循環が生じます。不安症状を軽減するためには薬物治療、磁気治療やカウンセリングが有効です。
更年期うつの初期症状ではイライラ、口の渇き、食欲不振などの、交感神経の亢進症状が出やすいので、自覚症状が現れたら早めに心療内科に相談しましょう。
【うつ病のチェック項目】
□1 気分が何となく憂うつで晴れない
□2 仕事、家事、子育て、趣味に楽しさを感じず億劫だ
□3 食欲がない、特に朝食が食べたくない
□4 夜眠れず、途中で目が覚めてなかなか寝付けない
□5 日中いらいらしたり、頭が働かない感じがある
□6 疲労感、倦怠感があり、夜まで抜けない。 意欲がでない
□7 自分の生きていることに価値がないような無力感がある
□8 集中力や決断力がなく物忘れもしやすい
□9 家事が思うようにできずに、家族に迷惑をかけている罪悪感がある
□10 長時間テレビが観られない(ドラマの筋が理解できない)
□11 友人との付き合いがしたくない
□12 ロ内炎やヘルペスができる
※1 または2 のどちらかを含んで合計5 項目以上が毎日のようにみられ、かつ1 週間以上続くようであれば、心療内科の受診をおすすめします。
監修
もりの緑メンタルクリニック
院長 加藤 邦夫先生