私立中学受験の入試方法として年々増加している「新タイプ入試」。
これまでの入試とはどのように違い、子どもにとってどのようなメリットがあるのでしょうか?
新タイプ入試は子どもの潜在力を探る新しい入試スタイル
これまでの私立中学校の入学試験といえば、国語・算数・理科・社会の4科目、あるいは、国語・算数の2科目の学科試験によっ合否が判定されてきました。そのため、小学4・5年生になるころには塾に通い、受験のための勉強やしっかりとした対策が必要でした。
ところが、ここ数年、知識だけでなく、思考力・判断力・表現力など、これからの時代を生き抜くために必要な見えない力、すなわち「潜在力」を重視する新しい入試方法が増えてきました。これが「新タイプ入試」と呼ばれるものです。
例えば、公立中学一貫校が選抜に取り入れたことで一気に広まった適性検査型。 グラフや図表などの資料を読み解いて自分なりの考えを導き出し、文章で表現することが求められます。
複数の教科を横断した知識はもちろん、作文能力なども問われます。
また、英語やプログラミングなど、小学校でも新しく取り入れられるようになった学習のほか、小さいころから打ち込んできた習い事や趣味について発表したり、与えられた課題についてグループで討論したりといった入試方法もあります。
うちの子にぴったりの入試タイプは?
ここで紹介している以外にも、学校によってさまざまなタイプの入試が行われています。わが子の個性を生かせる入試方法もきっと見つかるはず。
適正検査型
これまで学んだことや身につけた知識を活用して資料などを読み解き、自分の考えを表現します。4教科を横断した知識や思力に加え、作文能力なども求められます。
英語型
従来の教科に英語をプラスする入試のほか、英語1科目のみの入試、英語資格の取得状況による加点や試験免除など、さまざまなバリエーションがあります。
探究型
ある課題に対して深く掘り下げて考え、自分の考えを自分の言葉で表現し、発表します。知的好奇心の有無や課題解決へのアプローチなどが評価されます。
サイエンス型
実験や観察を行って結果をレポートにまとめ、なぜそうなるかを考察したり、自然環境に関する写真などを見て科学に基づいた自分の考えを示したりします。
自己プレゼンテーション型
継続的に取り組んできた興味や関心のあることについてまとめたり、その経験から得たもの、感じたことなどを自分の言葉でアピールします。
新タイプ入試の入学者は入学後の伸びしろにも期待
注目すべきは、これら新タイプ入試で入学した生徒が、 入学後に、2科目、4科目入試で入学した生徒と遜色なく、むしろ大幅に伸びるケースもあるという事実です。これこそ知識の詰め込みだけではなし得ない、未来の可能性を秘めた力といえるでしょう。
新タイプ入試には、それぞれの学校の教育理念や、現在、カを入れている学びが反映されていることも多く、学校選びの参考にもなります。
また、自分 得意なことを評価してもらえる入試は、合格を手にした際には大きな自信にもなり、入学後もその子の個性に寄り添った環境が期待できるといえるかもしれません。
新タイプ入試を活用すれば、これまで中学受験の勉強をまったくしてこなかった子どもにも、まだ私立中学校進学のチャンスがあります。 注目の新タイプ入試を導入している私立中学校についても、ぜひリサーチしてみてはいかがでしょうか。
新タイプ入試を導入する学校は年々増えていますが、そのスタイルは学校によって実にさまざま! そこでぜひチェックしておきたい人気私立中学校の新タイプ入試を紹介します。 『新入試タイプ』の詳細はこちら↓ ▶【中学受験】多様化が進む入[…]
入試の多様化が進む中学受験。中でも、英語入試は多くの学校で行われており、2023年の首都圏中学入試では、141校が導入しました(首都圏模試センター調べ)。 英語入試の増加に伴い、中学受験のために英語塾に通う子どもも増えています。 […]