withコロナ お医者さんからのメッセージ<神経質になりすぎない感染予防術>

「新型コロナウィルス」について、中川駅前内科クリニックの院長粕谷先生からビタミンママにメッセージをいただきました。とても大切な内容なので、読者の皆さんにお伝えします。

【粕谷先生からのメッセージ】
新型コロナウィルスのことで、私が医師としてみなさんに伝えたいことをお話しします。

新型コロナウィルス感染症は、すぐに終息する気配はありません。
しかし、無用な恐怖は、ストレスからかえって免疫力抵抗力を低下させかねません。
精神的疲労から少しでも脱却していただくために、正しい情報を知っていただき、
各自がやるべきことを整理し実行していただければ幸いです。

新型コロナウィルスは、もはや受けて立つしかないというか、横浜ではすぐ身近に感染者がいてもおかしくない状況です。
それでも、やれることはあります。

まず、とにかく「自分が元気で」いてください。
栄養をしっかりとること。睡眠・休息をしっかりとること。
無用な夜更かしや過労、不要不急の人ごみをさけること。

そして手洗いです。
テレビやネットでやり方を紹介しているのをよく見かけるようになりました。
爪の先、親指の根元、指の間、手首なども洗います。所要時間は「Happy Birthday to You」2コーラス分。
聞くと「長っ!!」と思いますが、念入りに泡立てて洗い、その泡をきれいに落とすとそれくらいかかります。
大切な方のお誕生日を祝うつもりで、歌いながら洗ってみてください。

新型コロナウィルスの感染経路は、主にはインフルエンザウィルスと同じ飛沫感染・接触感染です。
外でエレベーターのボタン、ドアノブ、あるいは誤って自分の髪やマスクの外側を触ってしまったら、その手でご自身の眼・鼻・口を触らないようにしてください。ウィルスは粘膜から感染します。
手指消毒用のアルコールは入手困難ですが、まずは水でもいいから手洗い場があれば手を洗ってください。そして、帰宅後にハンドソープでしっかり洗いましょう。
きちんと洗えばウィルスは落ちますから、アルコールは極端な話、なくても大丈夫です。

花粉症がある方はこの時期、ついついかゆくて目に手が行きがちです。
コンタクトや裸眼の方は、花粉症予防を兼ねて花粉症用の眼鏡をされるか、伊達メガネをされるとよいでしょう。

そして、帰宅後には必ず、スマホを拭いてください。
外で触ったスマホ、帰宅してから洗ったきれいな手で触ってしまうと(しかも食事中や就寝時!)、今度はスマホから手にウィルスが戻ってきてしまうかもしれません。
これも除菌ウェットがあればよいですが、なければノンアルコールのウェットティッシュでかまいません。
汚れを落とすだけでも、拭かないのとは全然違います。
このほか、ノロウィルスと同じ糞口感染もあると言われています。
トイレ後の手洗いや、吐物の処理をしたあとの現場消毒(次亜塩素酸を薄めたものをスプレーするなど=ノロウィルスの対応と同じ)も重要です。

軽症の風邪の場合、病院を受診せずご自宅で様子を見られた方がいい場合もあります。
心配が先に立ってあわてて受診なさっても、混雑した待合室で本物の新型コロナウィルス感染症患者と一緒に長時間待たされた結果、ミイラ取りがミイラになって新型コロナウィルスに感染してしまう可能性があるからです(院内感染)。

しかも新型コロナウィルスには、インフルエンザと違って、現時点では迅速検査もタミフルのような抗ウィルス薬もありません(PCR検査は、検体採取や運搬などに細心の注意が必要で、現時点ではインフルエンザ迅速検査のようには簡単にはできません)。

そして、仮に新型コロナウィルス感染症だったとしても、軽症であれば処方される薬は咳止め・痰きり、鼻水の薬など、症状に応じたものになります(対症療法)。
「軽い喉風邪で病院に行ったら、本物の新型コロナウィルスと普通の風邪薬をもらって帰ってきた」ということになりかねないのです。
これでは、患者様にはデメリットしかありません。
また、医療機関には高齢者や基礎疾患のある方などリスクの高い患者様がたくさんいらっしゃるので、風邪症状の方が多数来院されると院内感染のリスクが高まってしまいます。
「軽症の場合は自宅療養」というのは、患者様・医療機関の双方にとってメリットが大きいと思われます。
ただし、ご家族や周囲の方に感染が広がらないよう、インフルエンザにかかったときを想定して療養してください。

そして、37.5度以上の発熱が4日間続くなどの場合は、帰国者・接触者相談センターにご相談ください。
相談の目安や連絡先については、下記厚生労働省HPをご覧ください。↓

厚生労働省HP

新型コロナウィルス感染者のうち、80%以上は無症状または軽症ですむと言われています。しかし、残りの方は重症化する。
「自分にうつる」ことを恐れるのと同じくらい、「人にうつす(そしてうつした相手が重症になるかもしれない)」ということを恐れなくてはいけないという、大変やっかいなウィルスなのです。

咳エチケットや手洗い、もし家族が新型コロナに感染したら、などについて、東北医科薬科大学病院のホームページに一般の方向けのハンドブックが掲載されています。↓

東北医科薬科大学病院HP「新型コロナウイルス感染症 ~市民向け感染予防ハンドブック」へ

最新情報をチェックしよう!