『幼児期の動きに関心を持ちましょう』
はじめに理解していただきたいことは、「心の健康」が子どもの「意欲」に繋がるということです。
日常生活の中で大人とのかかわりから愛情を感じ、認めてもらうことで「心の安定」を保ちます。すると「好奇心」が生まれて「新たな動き」の源になります。
子どもは失敗と思わず何度も挑戦します。大人は笑顔で声をかけて見守ります。この繰り返しが次へのチャレンジの源になります。
そのためにはチャンスを見落とさないように、携帯を見るのではなく、子どもの動きから目を離さず、一緒に動きましょう。
神経系の発育は小学校に入学するくらいまでに、成人の90%近くまで達すると言われています。一種目のスポーツではなく、さまざまな体の動かし方を経験する機会をつくりましょう。
『表現遊びをしてみましょう』
幼児の生活はすべてが表現です。言葉が未発達な時期は自分の思いを伝えるために、泣いたり怒ったり物を投げたり、体の表現に頼るしかありません。
言葉が話せるようになると、真似をしたり変身することを好み、ヒーローになったり、ごっこ遊びではママになったりします。
現実と夢の世界が混ざって、自分の思いを素直に表現できるようになる時期ですね。
大人は問いかけてください。子どもの言葉を認め共感することでもっとイメージが膨らみます。お友達と同じじゃなくてよいのです。
体を精一杯動かして一緒に楽しんでみましょう。いろんな動きができることに気づき、大人に認めてもらったことで自信ができます。
そしてお友達の違う表現にも気づき、互いに楽しみを伝えられるようになります。
『表現遊びからダンスへ』
ダンスは土の中の虫を踏みつけることから始まったと聞いたことがあります。神を意識し、通過儀礼の折節に踊られました。
共同体の結束を導いたダンスから娯楽のためのダンス、芸術的なダンスへと変遷しました。
約30年前までは男子が踊ることはあまりなく、踊りは女子のものという意識がありました。
しかし平成20年から中学校のダンスの授業は男女必修となりました。
内容は「創作ダンス・現代的なリズムのダンス・フォークダンス」です。
DVDを見て振り写しで踊るものではありません。小学校の授業を踏まえて、ダンスの楽しさや喜びを味わい、ダンスを通して交流ができるようになります。
ダンスの授業で大切なことは、安心できる仲間とのかかわりの中で、一人ひとりが力を発揮し、お互いの良さを認め合うことや、分担した役割を果たすことです。
踊りを通して仲間とコミュニケーションを持つことの大切さを学び、表現することを難しいと思わず、表現することは素晴らしいと実感してほしいと願っています。