成城学園中学校高等学校では、中学1年から高校1年まで「Global Competence Program(GCP)」を実施しています。ネイティブ教員と日本人教員によるティーム・ティーチングのもと、英語を「学ぶ」のではなく、英語を使って自分自身や社会、多様な価値観について考えます。
今回見学した中学1年の授業では、生徒たちがグループで意見を交わしながら、自分たちの考えを深めていく姿が印象的でした。授業を担当する山元先生に、GCPが目指す学びについて伺いました。

成城学園中学校高等学校 英語科 山元 先生
英語を「学ぶ」から、英語で「考える」へ
英語を通して、自分や社会との関わりを考える
4年間のプログラム
成城学園中学校高等学校では、中学1年から高校1年まで週に1回、「Global Competence Program(GCP)」を実施しています。外部専門機関で研修を受けたネイティブ教師と、当校の教員によるティーム・ティーチングで授業を行い、英語を使いながら多様な価値観や社会との関わりについて考えるプログラムです。

ネイティブ教師が授業を進め、日本人教員が生徒一人ひとりの理解度を確認しながらサポートするティーム・ティーチング。安心して英語で考え、対話できる環境が整っています。(成城学園中学校高等学校)
授業で重視しているのは、英語力そのものではありません。英語を「媒介言語」として活用し、自分自身や周囲の人、社会との関わりについて考えます。山元先生は、「地球市民として、自分たちはどういうマインドを持ち、どう生活し、人と関わるかがメインテーマです」と話します。
ネイティブ教師が授業を進め、日本人教員が生徒の理解を支えながら学習をサポートすることで、生徒たちは英語を使いながら、さまざまなテーマについて考えを深めていきます。

山元先生は教室を回りながら生徒一人ひとりの様子を見守り、問いかけを通して自ら考えを深められるよう促します。
(成城学園中学校高等学校)
話し合いと発表を繰り返し、自分の考えを深める
今回見学した中1の授業では、「グローバルアイデンティティ」をテーマに、自分たちのアイデンティティを反映した架空のキャラクターをグループで考える活動が行われていました。
生徒たちは4~5人のグループに分かれ、キャラクターの好きなものや嫌いなもの、性格などについて意見を出し合いながら、一つのキャラクターを作り上げていきます。この日は、翌週のプレゼンテーションに向けて話し合いを重ね、どのように自分たちの考えを伝えるかを整理していました。

「お化けが苦手」「優しい性格」など、キャラクターの設定について次々と意見が飛び交う中1GCPグループワーク。楽しみながら対話を重ね、自分たちの考えを形にしていきます。(成城学園中学校高等学校)
GCPでは、まずテーマについて理解を深めた後、ペアワークやグループワーク、ゲームなどさまざまな活動を通して意見を交わします。その後、プレゼンテーションやスキット(寸劇)など、さまざまな方法で自分たちの考えを発表。最後は必ず表現活動で締めくくられ、ペーパーテストは行われません。
「グループで活動する一番の意味は、違う意見をどうまとめるかというプロセスにあります」と山元先生。正解を導き出すことよりも、多様な考えに触れ、互いの意見をすり合わせながら一つの考えを形にしていく経験を大切にしています。

グループで話し合った内容をワークシートに整理し、プレゼンテーションに向けて準備を進めます。
(成城学園中学校高等学校)
また、英語に苦手意識がある生徒への配慮も欠かせません。山元先生は、生徒の理解度や表情を見ながら必要に応じて日本語で補足し、「何をする時間なのか」がしっかり伝わるようにサポートしています。
分からないことはグループ内で教え合いながら学習を進めるため、一人で抱え込まずに参加できます。活動を繰り返す中で、少しずつ英語での指示にも慣れていけるよう工夫されています。
目指すのは、自分で問いを立て、
学び続ける「自律した学習者」
GCPで山元先生が目指しているのは、「自律した学習者」を育てることです。自分で考え、必要な情報を集め、自分なりの答えを導き出して、自分の言葉で伝えられる力を身につけてほしいと考えています。
そのため、授業ではすぐに答えを示すことはありません。「『答えは何ですか』と聞かれたら、『どう思う?』と問い返します」と話す山元先生。すぐに答えを教えるのではなく、生徒自身が考え、自分なりの答えを導き出せるよう促しています。

「楽しくやろうということは、いつも生徒に伝えています」と話す山元先生。生徒が前向きに取り組める授業づくりを心がけています。(成城学園中学校高等学校)
また、「生徒が本気で悩み、考えている表情が見られる瞬間が一番うれしい」と話します。正解を導き出すことよりも、自分の頭で考え続ける過程そのものが、大きな学びにつながると考えているからです。
