【ボーク重子さんが語る】「真の愛育」とは

「子どもの前できちんとしなくちゃ」とプレッシャーを感じる親御さんも多い中、どのような心持ちであることが望ましいのでしょうか?

「子どもは親の背中を見て育つ」って言うけど、それは、親が子どもにとっての”ロールモデル(お手本)"であるということ。
だから親は「間違っちゃいけない、完璧な姿を見せなくては」と思ってしまう。でもね、ロールモデルとは完璧な手本を見せることではなく、人間が成長していくプロセスを見せてあげることなの。
そのプロセスとはズバリ、”失敗するかっこ悪い姿"を見せること(笑)。
成功した人の姿というのは、どれも同じ。逆に失敗は人それぞれで、そこからどう立ち上がるか、どう修正するかというプロセスも人それぞれ。
そうしたトライ&エラーを見れば見るほど、子どもの中には解決策の引き出しが増えていき、人生を切り拓く心の糧になっていく。
親が失敗する姿を見せていなかったら、子どもはどうやって成功にたどり着いたらいいかわからないまま。
だから、行動できないし失敗が怖くなっていってしまうんだよね。
実は子育ては「親の主体性」も大事なの。やりたいことに挑戦して失敗したり、やり直したりしている親じゃないとロールモデルになれないんだから。

親が主体性を持つには、どうすればいいのでしょうか?

そうね、例えば漫画が好きなら『今から15分、ママの時間にさせてね』と言って、お気に入りの漫画を読むのでもいい。
「好きなことをすること」がどういうことなのかを、子どもに見せてあげてほしい。
さらに、その好きなことが何かを生み出していたり、誰かの役に立っていたりするとなおいい。
親が主体的にやっていることが社会に役立っているのを間近で見ていると、子どもも自分がなんのために勉強しているのかを自然と考えられるようになると思うよ。

親は、子どもに何かを教える存在なのではなく、
「主体性のロールモデル」になることが大事なんですね。

その通り!(笑)。私もスカイが生まれたばかりの頃は「こうあるべき」に縛られて、失敗しちゃいけない!と子育てするのが怖かった。
でも子育ては初めてだし、完璧になんてできないわけ。そうするとやっぱり、煮詰まってきてしまう。
気づいたら、自分のアイデンティティが「妻」と「ママ」だけになっていて、「これってどうなんだろう…」とモヤモヤしていたときに「子どもの非認知能力を育む」ことについて知る機会があって、「結局、私自身が非認知能力を育んでないからダメなんだ」と気づいたの。
それで、自分の人生を生きるために「仕事に戻ろう」と決めて、アートの修士号を持っていたので安易な気持ちでアート関係の仕事を探し始めたけど、それがまったくうまくいかず、全滅(笑)。そこで自分の市場価値がゼロってことに直面したのは逆に良かったのかもしれない。
「ゼロなら、マイナスにならなきゃいいかな」と。でもマイナスにならないためにはゼロからでも始めないと、と思ってボランティアスタッフから仕事を再開したの。
仕事を始めてみて、ボランティアだからこそ失敗を恐れずにいろいろ挑戦できたことも良かったし、何より、娘に自分の話をできることがすごくうれしかった。自分の世界をもつことは、子どもにロールモデルを見せてあげられるだけじゃなくて、親のアイデンティティ形成やメンタルヘルスにもとてもいいんだよね。

気づいたら、自分のアイデンティティが「妻」と「ママ」だけになっていて、
「これってどうなんだろう…」とモヤモヤしていたときに
「子どもの非認知能力を育む」ことについて知る機会があって、
「結局、私自身が非認知能力を育んでないからダメなんだ」と気づいたの。

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お話を伺ったのは

ボーク重子さん

ロンドンの大学院を卒業後、結婚を機にワシントンDCに移住、出産。
さまざまな子育てを模索する中で、非認知能力を育むアメリカのエリート教育と出会う。娘スカイさんが「全米優秀女子高生」を受賞。現在はBYBSコーチングを主宰し、ライフコーチとして全米・アジア、日本各地で講演会、ワークショップを展開する。東京FM(AuDee)にて自己肯定感コーチングラジオ番組「ボーク重子のピンクdeワオ」配信中
ボーク重子さんの公式サイトはこちらから

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