【ボーク重子さんが語る】「真の愛育」とは

〜 親が自分の人生に「主体性」を持っているか?
これが「愛育」の出発点 〜

「愛して育てて」いるつもりでも、子育てには悩みや反省も多く、きちんと子育てができているのか?と不安に思う親は少なくないはずです。
現在、BYBSコーチングを主宰し、ライフコーチとして全米、日本各地で子育てやワークライフバランスについて講演を展開するボーク重子さんは、「親の主体性が愛育の鍵」と言います。
真の愛育とは?をテーマに話を伺いました。

まず、いきなり核心に迫る質問となりますが、ズバリ、ボークさんが考える「真の愛育」について教えてください。

いきなりきたね〜!(笑)。わが子の愛し方って本当にいっぱいあると思うけど、私が子育てをする上で一番大事にしていたのは「その子をその子として育てる」ということ。
親って、子どもが生まれた瞬間はただただ『幸せになってほしい』と願っているんだけど、こんな子どもに育ってほしい、あんなこともできるようになったらいいのにって、どんどん欲が出てきちゃう。
子どもを育てているはずなのに、”自分がなってほしい子ども"を育てはじめちゃう。でもそうではなくて、大切なのは子どもの個性、その子らしさを育むこと。自分の分身を育てるんじゃない。
「この子」を育てていこう、というのが私にとっての「愛育」かな。

本人の「やりたいこと」「興味があること」を観察して、
その子の個性を理解してあげることがすごく重要で、言い方を変えると、「主体性を奪わない」ってことよね。

その子をその子として育てるために、心がけていたことはありますか?

まず、「子どもの話を聞く」こと。そして、「よく観察する」こと。「うちの子はやる気が全然なくて…」というママがいるけど、何に対してもやる気がない子どもっているのかな?親として自分がやってほしいことをやってくれないから「やる気がない!」と見えるだけなのかも。
子どもって常に、何かしらやっているでしょ。
だって、「子どもってじっとしてくれない」って言うじゃない。ちゃんと観察して「この子は何が好きなんだろう」「言われなくてもやることは何だろう」と、子どもの主体性がどこにあるのか見てあげることが重要だよね。
私の場合、娘のスカイが通っていた学校には宿題がなくて、何かやらせてあげることがないかと先生に相談したら「毎日空想する時間を作ってあげて」と言われたの。
私がアートの学位を持っていたこともあって、クレヨンや画材を置いたアートルームを作ったんだけど私が用意した物には全然興味を示さない。
じゃあ、スカイのやる気がないのかと言うとそうではなくて、しばらく経つと自分で勝手にいろいろと持ち込んで、こっそりのぞくと浴衣を着て一人で踊っているわけ。
つまり本人の「やりたいこと」「興味があること」を観察して、その子の個性を理解してあげることがすごく重要で、言い方を変えると、「主体性を奪わない」ってことよね。
主体性は、その子自身が「やりたい!」という気持ち。それはつまり好奇心で、これからの時代、自分から行動する子、主体的に学んでいく子、自分で自分の人生を切り拓いていく子を育てたかったら、子どもに「やりたい!」という気持ちを感じさせてあげること。
そして、その主体性を奪ってしまわないようにすることを親として大事にすべき。家族で子どもの好奇心を育んであげられる環境が作れたらベストだよね。

子どもの主体性に気づけず失敗したなという経験はありますか?

私は歌が得意でスカイにも歌ってほしくて、小さい頃にボイストレーニングに通わせていたんだけど、娘は嫌だったみたい。
当時練習していた曲が流れると、今でも家族で顔を見合わせて苦笑い。
「ママ、あれはツラかったよ」って娘に言われて、私も「だよね〜、ごめん」って今では笑い話になっている。

スカイがやりたくないことを何回もやらせてしまって申し訳なかったけど、その1〜2カ月は私がしてほしいことを娘がしてくれてそれなりに満足だったから、ありがとね、って感謝の気持ちを伝えているけどね。

子どもにとって親は絶対的な存在だからこそ、その期待に応えようとして苦しい思いをしてしまうことも。
そんなとき、親としてどのような行動を心がけるべきだと思いますか?

もし「間違っちゃったな」と感じたら、絶対にごまかしちゃダメ。親子の関係で最も大切なのは信頼関係。
だから、親が自分の間違いをごまかす、謝らない、といった信頼を崩してしまう行為は絶対にしちゃダメだよね。
「謝ると親の威厳がなくなる」という考え方もあるかもしれないけど、私は親の威厳なんてなくていいと思う。
子どもと一緒に成長していくのが親なんだから、失敗したときはちゃんと謝る。
そういう姿を見て、子どもも「お母さんも間違ったと思ってたんだな、謝ってくれた」と感じて、自分が間違ったときにも素直に謝ることができるようになるんじゃないかな。

私は親の威厳なんてなくていいと思う。
子どもと一緒に成長していくのが親なんだから、失敗したときはちゃんと謝る。

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お話を伺ったのは

ボーク重子さん

ロンドンの大学院を卒業後、結婚を機にワシントンDCに移住、出産。
さまざまな子育てを模索する中で、非認知能力を育むアメリカのエリート教育と出会う。娘スカイさんが「全米優秀女子高生」を受賞。現在はBYBSコーチングを主宰し、ライフコーチとして全米・アジア、日本各地で講演会、ワークショップを展開する。東京FM(AuDee)にて自己肯定感コーチングラジオ番組「ボーク重子のピンクdeワオ」配信中
ボーク重子さんの公式サイトはこちらから

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